ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■DC/PRG Hey Joe, We're dismissed now/PARTY 2-TOKYO
DC/PRG Hey Joe, We're dismissed now/PARTY 2-TOKYO@USEN STUDIO COAST

最新で最強の最後の夜 #DCPRG pic.twitter.com/cbkP01HD4S― kai (@flower_lens) April 2, 2021
一年来ない間に「USEN」がついていた。

という訳で一年ぶりのコースト、「最新で最強」との別れのときがやってきた。2007年に一度活動終了したときは「事前に言うとしばらく来てなかった連中が観に来る、そんな奴らの前で演奏したくない」といっていたが、今回は解散にあたっての宣言があった。大人になったねえ……という気持ちといやいやどこが、という気持ちと、そしてああ、本当におしまいにするつもりなんだ、という気持ちと。でもやっぱり、こういう状況だと(だからこそ)きちんと筋を通すのが「気の狂った指揮官」だ。

音楽に対しての敬意を最優先する。聴衆の期待に必ず応える。つまり、バンドメンバーと観客を最大限にもてなす。二時間以上の演奏時間を確保するためハコ側に違約金を払い、収容人数を増やすために椅子席を設けた。最終的には当日券も出し、「前売りが売れていなくてヒヤヒヤしていたのに、幕が開いてみればフルハウス」という──そういう光景はかつてよく見られ、主幹も「なんだよ! ガラガラだったらどうしようかと思ってたよ!」といっていたのだ──当日フラリとやってくる、クラブラヴァーズの刹那にも応えた形となった。当初発売された800枚程のチケットは即完。追加販売がアナウンスされたときはどういうマジックだ? と思っていた。当日フロアに入り、整然と並ぶパイプ椅子を見たときは面喰らって笑ってしまった。

木戸銭しか受けとらないことが流儀である銚子の江戸っ子は、口上でことの経緯を述べた。そしてパーティの開幕を宣言した。草稿を手にスピーチする。指揮官のスピーチはフロアに火を点け、そして鎮静させる。煽動の演説。そして治癒の演説。

演奏時間は三時間。あたりまえだ、DC/PRGのワンマンが二時間で終わる訳がない。

最後の最後迄最新だった。秋元修と近藤佑太が加入してからのライヴは三回しか観られなかったが、全員にソロがあったのは初めてだ(そもそもベースソロがあること自体このラインナップが初ではなかったか?)。多忙な高井汐人の代打としてトップリザーバーにエントリーされていたMELRAWがこの日正式加入し、最終日には勿論高井くんも出席し、つまりsaxが三本になった。よって「Circle/Line」のリフ構成も初めて聴くものになった(高井くんいうところの経緯はこちら)。普通に三本でやるんだもん、ウケた。大阪ではどうだったのか判らないが、「Mirror Balls」アウトロのコードは初めて聴くものだった。本当に、最後の最後迄DC/PRGは最新だった。そして、一音一音が最強だった。主幹は「デートコースペンタゴンロイヤルガーデン」と名乗った。Date Course Pentagon Royal Garden、DCPRG、dCprG、DC/PRG。全ての駒が揃った。帰宅後感想検索したら「さようなら、全てのDCPRG」「ありがとう、全てのDCPRG」と『エヴァンゲリオン』になぞらえているひとが多くて笑った。

若い衆が入ってボトムがえっれえ強力になった(デカいエンジン積んでるアレ)ことは承知していたが、それに悠々とライドする“元老院”の面々。津上研太は瑞々しいソロを連発し、フルートのソロも増やしてきた。坪口昌恭はProphetの音色を探り続け、ホルンも演奏した。そして大儀見元が「立っている」。

どなたかがツイートしていた類家心平のハルク感(膝を打つ)は強力で、小田朋美のソロは痛切極まりない。高井くんに至ってはソロの前にガッツポーズをし、最後は手を大きく振り続けた。あのクールな子が! 「自分の演奏がないときは舞台袖でマンガ読んでる」っていわれてた子が! こんなの“泣きたくなる様な安っぽい話し”じゃないか。オムスくんにアリガス、ゴセッキー、スミレディ。最後のライヴらしく、フロアにはOBOGも駆けつけた。皆が思い思いに別れを告げる。


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04月02日(金)
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