ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■東京バレエ団『ニューイヤー祝祭ガラ』
東京バレエ団『ニューイヤー祝祭ガラ』@東京文化会館
踊れるうれしさ、演奏出来るうれしさ、それを観られるうれしさに満ちた会場でした。録音ものの方が踊るには楽だと聞きますが、各シーンごとに拍手が湧きまくる(観客の思いがもうね)今回、音出しのタイミングが柔軟に出来るという面でも生オケでよかったな。
東京バレエ団『ニューイヤー祝祭ガラ』 pic.twitter.com/JejTvCv8k1― kai (@flower_lens) January 9, 2021
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「セレナーデ」:沖香菜子、金子仁美、中川美雪、秋元康臣、ブラウリオ・アルバレス
「ディアナとアクテオン」パ・ド・ドゥ:涌田美紀、池本祥真
「タリスマン」パ・ド・ドゥ:秋山瑛、宮川新大
「ドン・キホーテ」グラン・パ・ド・ドゥ:伝田陽美、柄本弾
「ボレロ」:上野水香
指揮:井田勝大
演奏:シアター オーケストラ トーキョー
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実は当日、入場したら練習する弦や菅の音が聴こえてきてそこで初めて生オケだと知ったのでした。演目だけ見て反射でチケットとったのでな……オーケストラピットから指揮者の方が両手を大きく振る。それだけでもう笑顔。
という訳で上演順も知らなかったのですが、チャイコフスキーの弦楽セレナーデ(「弦楽セレナード ハ長調 作品48」)で幕開けだったもんでもう鳥肌です。「セレナーデ」は初見でしたが、なんて美しい群舞、照明、衣裳! そのうえドラマティック。ひとりのダンサーが転倒して打ちひしがれるように泣き出したり、ひとりがこそっと遅れて入ったりとユーモラスな場面も。なんでもバランシンがレッスン中に起きたことを振付に取り入れたのだそうです。
「セレナーデ」が45分くらいの作品で一幕。休憩を20分はさみ、二幕は一気に四作品。「『ボレロ』の前に転換のため5分ほど空きますが、そのままお待ちください」というアナウンスがありました。
「ディアナとアクテオン」はあれですよ、ギリシャ神話の。狩人のアクテオンに水浴を見られたディアナが彼を鹿に変えちゃって、アクテオンは自分が連れてた猟犬に喰い殺されるっていう……つくづくギリシャ神話って理不尽ですね。池本さんを観るのは『M』に続いて二度目。また「死」なのかーい(いやそういう役柄好きなんですが演技的に)と思いましたが、惨事が舞台に載ることはありませんでした。それにしてもスケールの大きなジャンプ。いやあ、ホント空中を掴まえるダンサーだ。これみたいでしたよ、鹿だけに(笑)↓
We interrupt your regularly scheduled doomscrolling to bring you a joyful deer prancing across a beach at sunrise 🦌 🌅 pic.twitter.com/Lnk96yx1f6― Kurt Kohlstedt (@KurtKohlstedt) January 7, 2021
あとこの方、感情表現もいいですね。わあ、森〜⤴! 狩り〜⤴! みたいな顔してニパーって笑うのが微笑ましかったです。
涌田さん演じるディアナは狩猟の女神の象徴としてちいさな弓を持っているのですが、それを持っての踊りがときにアイドルにも見える程キュート。弓を射るとき、バキューンて聴こえそうな感じ(弓だけどな)。アクテオンが猟犬に襲われる(涙)場面を描いた背景幕も存在感ありました。
「タリスマン」は短い演目ですが見せ場も多く、異界の恋を踊る秋山さんと宮川さんに次から次へと拍手がわきました。そしてこれがすごかった、「ドン・キホーテ」。伝田さんも柄本さんもひとつひとつの動作がタブローとしてキマるキマる。技術面といい華やかさといい、まさに「祝祭」にふさわしい演目でした。キトリ(伝田さん)が扇子を閉じたり開いたりする毎に「パン!」「パリッ!」という音が聴こえ、それがキトリの気風のよさとして響きました。いや〜格好よかった!
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01月09日(土)
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