ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『ウエアハウス-double-』『ジョジョ・ラビット』
『ウエアハウス-double-』@新国立劇場 小劇場

ウエーイかなり! 近年のなかでも! 好きな!『ウエアハウス』でした!

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ヒガシヤマカツユキ:平野良
ルイケタロウ:小林且弥
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久々にふたり芝居となり、話者が少ない分言葉のやりとりがシンプルかつ濃密になった。こちらの注視が分散することが減った。というのも大きいかな。観客の集中度も高く、もともと音が響きやすいこのハコにして客席からのノイズが殆どといっていい程ない理想的な環境。向かい合う客席、スクエアなステージ、張り巡らされるツートーンのロープ(といっても印象は糸)、匣体の椅子5個、ホワイトノイズ、スキルフルかつエモーショナルな対話を操る魅力的な演者。身長差含めたビジュアルと、声のトーンのバランスも絶妙。平野さんと小林さん、めちゃめちゃいい。

台詞のやりとりがとてもリズミカル。スズカツさんいうところの「理屈っぽい台詞」をこうもわざとらしくなく、理解とともに耳に届けるかという……。「対話」がそこにある。あの台詞量、あの説明台詞は演者の実力を露にする傾向がある。「一所懸命に話しているけど、台詞の内容をどう解釈しているのかな? 賦に落ちているのかな?」と聴き手が戸惑ってしまうことって多々あるんです。それが続くとだんだん台詞が音声だけになっていく。それこそ「にゃーにゃーいってる妻」ですね。それが今回なかったな…すごいな……。平野さんの年齢は存じ上げませんが、ヒガシヤマの生活感がしっかり感じられたことにも瞠目しました。「吠える」暗唱のリフレインも、原語で話しているかのような美しいリズム。

参考資料。いやー昔は探せなかったあれこれが見つかるwebって有難い、26年という積み重ねを実感する。

・Howl by Allen Ginsberg┃Poetry Foundation
原語のテキストはこちら、ヒガシヤマが暗唱したのは「III」。

・Allen Ginsberg - I'm with you in Rockland / Scene from the movie "Howl" (2010) with James Franco.

音声が聴ける動画もあったので載せとく、ジェームズ・フランコ演じるギンズバーグ。

「僕らには理解があるんだ」。この言葉をだいじに掌で包みこむようなピーター(ヒガシヤマ)でした。忘れがたい。『吠える』を持っていかれたヒガシヤマは、これから「ジェリーと犬の物語」を何度も読み返し、やがて暗唱するのかな。教会が取り壊されたあと、その暗唱はどこで発表されるのだろう。

一方小林さん。以前から小林さんのジェリー(ルイケ)を観てみたいと思っており、今回のキャスティングはホント願ったり叶ったりで小躍りしたんです。なのでもうオープニング、暗闇に浮かび上がる小林さんの姿を観た時点で感極まりましたよね。眠そうな目をしていて、低いトーンで滑らかに話す。激情の発露が内側(自身)のように映り、そのことが観客の想像力を刺激する。動きがとても静かなところ、「実は妻には」のところで突然声をつまらせる等の言葉づかいは、過去のどの「ジェリー」にもないもので、なおかつとても「ジェリー」で、「ルイケ」だった。ひとの心に棲みつくジェリー。

印象としては、最初期のふたり芝居(+音楽家)を思い出す空気でした。いいものを観た。

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・『ウエアハウス』過去の上演記録はこちら

・稽古場レポート┃SPICE
・公開舞台稽古レポート┃SPICE
・平野良&小林且弥インタビュー┃SPICE

・「類家」ってそんなに珍しい名字だったのか…当然類家(心平)くんのことを思い出す訳ですけども

・おまけ、意味なく動画を張りたい。いや意味はある。この日『ウエアハウス』を観たあと渋谷に行きまして、ハチ公口を出た途端投げつけられる街の情報量に「うへえ」となる。1月30日に発表されたSQUAREPUSHER「TERMINAL SLAM」のMV観賞後、初めて渋谷に行ったということを意識してもいましたが、確かに「このノイズのなか無意識に情報の取捨選択が出来る」ヒトの能力ってすごいなあと感心しましたよね……


いやホント我に返るよ。脳って、人体ってすごいな!

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『ジョジョ・ラビット』@シネクイント スクリーン1


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02月01日(土)
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