ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『LITE 15th』
15th Anniversary LIVE “LITE 15th”@LIQUIDROOM ebisu
そういえば最初のフライヤー、「10th」ってなってたんだよね。ご愛嬌。いい夜だったなあ pic.twitter.com/Y0SKXBMDOb― kai (@flower_lens) January 18, 2019
「年をまたいで16年目に入ってしまいました(笑)」ということで、15〜16周年おめでとうございます! 和気藹藹のお祝いムードになるかと思いきや、本意気の対バンモードで阿鼻叫喚。笑いがとまらないライヴ始めです。幸先いいな! LITEでなければこのメンツは集まらなかった、LITEのお祝いだから皆が殺気すらまとって本気で潰しにきた。いや、潰してないけど。結果めちゃめちゃ濃密なイヴェントになりました。それはもう、フェスかというくらい。
息をするように嘘をつく先輩方が揃いましたよ。「ひとんとこのお祝いにはよく呼ばれるんですけど、誰も僕らのことは祝ってくれないんですよね。終戦の年に結成しました。玉音放送を聞いたあとですね。機材は進駐軍からもらったやつなのでボロボロです」とボヤくtoeパイセン、「僕らも20年ってとこなんですけど、10年くらい休んでたんでね……」と謙虚なdownyパイセン、「実は同期なんだけど先輩扱いされてる。ま、内臓年齢はウチらのが遥か上をいくんですけど。toeは戦後からっていってましたけどウチには戦前からのひとがいます(栗原さんのこと)」とむちゃくちゃいいよるSOIL&"PIMP"SESSIONSパイセン。ときどきホントのこともまじっていますので、各自ご確認を。1バンド40分程の持ち時間(主催のLITEは1時間強)なのに満足度の高いこと高いこと、イヴェントにつきアンコールが出来るのはトリだけなので、だったらアンコールの声も出せなくしてやるわいという圧倒的な演奏ばかりでした。こええ! 皆さんスタイリッシュなのにどうしてこうも破壊力あるかね。
だいじなことなので二回いうけどLITEだからこのメンツを集められたともいえる。よっしゃあいつらが15周年、駆けつけたる! という感じ。みんなの弟分だなあ。しかしかわいがる/かわいがられてるだけじゃ済まさねえぞというシーンの切磋琢磨と信頼関係が根底にある。ハードコアのアティテュードを持ち、海外からのリリースやツアーにも積極的。ソイル以外はインディペンデントで活動の基盤をしっかり築いている。ジャズ、パンク、マス、変則ビート、エフェクトとエレクトロの融合。サウンドカラーはさまざまだけど、しっかり繋がっている。武田さんの「だから売り切れるっていったでしょ! チケット買うなら早めにって!」「というか、このメンツで売り切れなかったら日本のシーンは危ない(未来はない、だったかな?)」という言葉に、シーンへの敬意と誇りが感じられました。
ちなみにこの日、ロビーにファンの方々から花スタンドが届いていた。こういう距離間もLITEらしくて微笑ましかったし、きちんとそのことに触れてお礼をいうところもLITEらしくてジーンときてた。この勤勉さが、先輩方やファンから愛される所以でもあるだろうな。律義なバンドカラーは演奏にも反映されている。各々のスキル、テクニックもさること乍ら、合わせたときの「一丸力」が強力。彼らと同じくらい、もしくはもっと巧いひとたちが集まって、同じ曲を演奏しても決して同じ出音にはならない。個別の活動も多いのに、集まるとその一蓮托生ぶりに驚かされる。後述の座談会で、武田さんが「プレイヤー個々はそんなに特別うまいわけではないと思うんです。でもバンドの曲をやたら練習しちゃうんですよ。(中略)譜面に起こせないから、体で覚えるしかなくて」「運動と一緒で、1年くらい曲をやらないでいると、忘れちゃう」と仰ってますが、アスリートといってもいい日々の鍛錬による結晶は、見事なサインプレーが決まったときのボールゲームのような爽快感と高揚をもたらす。「体で覚え」ているから、プレイヤーの気迫が音に直結する。曲がいきものになる。PAも申し分なし。
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01月14日(月)
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