ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『SONICMANIA 2018』その2
『SONICMANIA 2018』@幕張メッセ

■NINE INCH NAILS(CRYSTAL MOUNTAIN)

本日のメイン、最初から最後迄。ポジションどりを誤って序盤はひとの背中しか見えず、全身汗でびしょびしょのひとに飛び込んでこられ、移動したらウェイ系の集団が目の前で自撮りをはじめ、また移動したらずっと指笛吹いてるアホの子に音を遮られ。最終的には下手側の後方ブロック二列目で観ました。かろうじてステージを見ることは出来た。スクリーンはしっかり見えた。いやー焦った…トレントが数十メートル先にいるのに肉眼で見ないまま終わるのかとめっちゃ焦った……。個人的にはやっちまった感がありましたがライヴの内容は素晴らしかったよ!

終わってから話したが、フジのグリーンステージだと観客エリアが傾斜になっているので後方からでもステージ見えるんですよね。で、サマソニのマリンで落ち着いて観たい場合はスタンド席に行けばよい。しかしマウンテンはステージもあまり高くないし中途半端な位置から観るメリット全くないねと。音も場所によって全然違う。トレントのMC全然聴きとれなかった。あのマリンの音響を制したNINのクルーをしてこれか……もともと音楽用のホールじゃないし、反響の多いスペースじゃないから仕方ないのか。バンドは悪くない、私の心構えが足りなかったと反省ですよ。という訳で単独で来てください(笑)。

ステージ両袖の照明群は人力で操作、自由に動けるカメラマンをひとりステージ上に配し、スクリーン映像はそのカメラからのみ(スイッチングなし)、終始モノクロで徹底。流石こういうとこ他のアクトとは一線を画すわあ。瞬時にフェスを単独公演ばりのカラーに変え、一見さんにバンドの特性を見せつけ、コアなファンの期待に充分応える。しっかりリハをやらなければ成立したない演出には、バンドとスタッフ間の信頼関係と充実を感じる。ある意味ヘルシーさも感じます。

最新作と旧作をバランスよく、アッパーで攻撃的なナンバーと、ポップでありつつ展開の妙を聴かせるナンバーのバランスもいい。2013年のフジと同じくフェスなのにオープニングが最新三部作の一曲目、というところにもトレントの自信(というかドヤ)が窺えます。間髪入れず鉄板の「Wish」でオーディエンスを阿鼻叫喚に陥れるショウ運びもニクい!

サポートではなくアッティカス・ロスが加入し、プロジェクトとしてのNINは今二人組。レコーディングにおいては古参ですが、ライヴではどうなるのだろうと気になっていました。が、基本は変わらず。アッティカスはステージで暴れたり走りまわったりはしませんし(笑)、物静かに構えて全体のサウンドデザインを統括しているような印象でした。そんなアッティカスがいることに安心してか? トレントはステージを降りてオーディエンスに頭をつっこんだり(日本犬が「なでれなでれ!」と向かってくる装い)、元気よく厚い胸板でバシャバシャタンバリンを叩いたり(ゴリラタンバリンと名付けたひと天才)とのびのび動きまわっている様子。ホントこうやって見ると兄弟みたいだね、実年齢は逆なんだけど、ステージにおいてはトレントがやんちゃな弟に見える。

ロビン、アレッサンドロ、アイランの三人はなんだかんだもう長いので、トレントの再現したい音を鳴らすためのパートチェンジもお手のもの。今回アレはんがベース弾く場面が多かった。そしてロビンがめっちゃ唄うのよこれが! あの怪鳥音声を活かした煽りやガナりだけでなく、コーラスもハモリも!「Shit Mirror」では渾身のスクリーム! トレントとデヴィッド・ボウイの「I'm Afraid of Americans」で、ボウイのパートを唄うのがロビンなわけですよ。いやーなんかしみじみした。トレントの声の状態もよかったし、今回は殊更歌が印象に残ったなあ。新作のサウンドは原点回帰+ボウイへの思い+アッティカス加入による新展開、と明らかに耳に刺激的なものだったというのにね。これは自分でも意外だった。


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08月18日(土)
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