ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■2015年の「Iambic 9 Poetry」
(20170724:『「Iambic 9 Poetry」ききくらべなど』からタイトルだけ変えてみた)

自分用メモ。その都度web上を探しまわらないようにしたいという魂胆ではありますが、ひとに聴かせたい+紹介したい欲もあり。夜な夜な観て、聴いております。

先日書いたようにSquarepusher空白期(自分の)を辿っているところ。その道中でいちばん衝撃を受けたのは「Iambic 9 Poetry」の変化でした。2004年発表の『Ultravisitor』に収録されていた、最もフラジャイルな曲。歩くような速度のBPM、つぶやきあるいはためいきのようなリフレイン。躓き、転び、そして再びたちあがるリズム。冬の星空、春の陽だまり、雪の降り積もる夜、あるいは雨降りの朝。内に激しさを秘めた、静かな風景が想起される美しい曲です。

・原曲


この曲が、2015年の『Damogen Furies』ツアーのアンコールで演奏されていました。リズムとハーモニーを同時に奏でるベースソロ。イントロとアウトロが加えられ、新しいひとつの楽曲として生まれかわったかのようです。続けて演奏された同じく『Ultravisitor』収録の「Tetra-Sync」とともに、沢山の動画がYouTubeにアップされています。どれもがオーガニック、そしてエモーショナルな演奏。

アメリカ(4月)とスペイン(6月)、そして日本(5月)での映像を並べてみます。観客の反応の違いがまた面白い。

・Squarepusher, Live @ The Observatory, Orange County California

オレンジカウンティ。アメリカには根強いファンがいるようで、未だに「F**kin' Daddy!」とか声がかかっている。演奏も力強く、ちょっと荒々しさがあります。

・Squarepusher - @ S醇pnar 2015

バルセロナ、S醇pnar 2015でのステージ。フロアのざわつきがちょっと気になってるかな? 映像と同期している機材のチェックもいそがしい。

・Squarepusher Iambic 9 Poetry~Bass solo~Tetra-Sync Live In Japan 2015.

東京、恵比寿ガーデンホール。途中からで音割れも酷いけど、フロアの喜びようが伝わって泣き笑い。『Ultravisitor』ツアーの来日公演では演奏されませんでしたから、「Iambic 9 Poetry」が日本で披露されたのはこの日が初めてだった筈。大歓声のあと、水を打ったように静まり返るところは日本ならではですね。一音も聴き逃すまい、といった雰囲気。
それを受けてか、演奏もアメリカ、スペインのときよりためがあるというか、一音一音をかみしめるように弾いているように感じます。歓声と拍手に照れたように応える表情もとてもいい。「Tetra-Sync」に入ろうとしてもニヤニヤがおさまらないのか、鼻すするような仕草してるとこもかわいいですね(笑)。その反面、リフをまるでうわの空で弾いているような様子も見せる。楽器に身体を預けているようでもあります。

・Squarepusher Damogen Furies Tour Tokyo Encore

同じ東京での映像。こちらはアンコールの最初から入ってて音もそれなりにいいんだけど、近くにいる感極まりきったお兄さんの声がうるさい(笑)。

ちなみにこのイントロですが、2011年4月に行われた『MADE IN JAPAN - A Benefit Concert For The Victims of the Japan Disaster』のオープニングで演奏されています。音源はこちら↓

・Squarepusher - ATP Presents Made In Japan Benefit, London - 2011 by keyfumbler | Mixcloud


東日本大震災に際してATPが開催したイヴェントで、おおよそこういうことには距離をおきそうな面々(LFOにFuck Buttons!)が出演していました。それ程の事態だったとも解釈出来ますが、手を挙げたひとたちの筆頭に彼がいたことを思うともう感謝ばかりですよ……。
ドラマーとのインプロセットだったそうで、イントロに続いての展開は『Just a Souvenir』や『Shobaleader One: d'Demonstrator』の流れを汲んだものになっていますね。途中聴こえる「This is for Japan, This is for Japan.」という観客の声も印象的。


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07月21日(金)
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