ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『雨にゆれる女』3回目、アフタートーク
『雨にゆれる女』@テアトル新宿
最終日ということで半野喜弘監督と主演の青木崇高さんが来場、アフタートークとQ&Aがあるよということで再びテアトル新宿へ。やー、半野さんの話聞きたいと思ってもともと行くつもりだったんだけど、青木さんのお話も聞けてラッキーだったわ……。
質問がどれもあーそれ訊きたかったってことばかりで、監督も青木さんも真摯に話をしてくださって、いいイヴェントだったなあ。こういうのって大概ひとりは自分語りが長〜くなって質問は何よってひとがいるものだけど、この日は簡潔な感想と、そこから生じる質問を的確にぶつける方ばかりで、理想的なQ&Aでした。本編には出てこなかった登場人物の背景や設定、撮影の裏話等いろいろ聞けて面白かった!
以下おぼえがき。記憶でおこしているのでそのままではありません、話が前後しているところもあります。ご了承ください。Q&Aなので本編内容にふれるネタバレ多数ですので未見の方はご注意を。間にちょこまか入っているのは私の感想です。
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青木●こんな夜半、寒いなか、劇場に足を運んでくださって有難うございます。余韻が残る作品なので、その雰囲気を壊さないようにお話出来ればと思います
半野●最終日になりました、有難うございます。どんどん質問してください
Q●カレンダーに健次が×をつけていましたが、理美がきて、彼女が×をつけはじめる迄一週間ほどの空白がありました。何故健次は×をつけるのをやめてしまったんでしょう
半野●そこはすごく話し合ったんです。突然理美が現れて、健次の日常が根底から揺さぶられていく。ルーティンだった生活がたちいかなくなって、×をつけてる場合じゃない。×つけてたことも忘れちゃうだろうって。そんな混乱を表しました
空白の一週間。理美が金曜日の夜にやってきて、土日はなんとかやりすごして、月曜日は出社しなくちゃいけないから一度外に出して鍵かけて入れないようにして、火曜日以降徐々に近づいていくって感じでしたね。ごはんとられるし雨は降るし過呼吸起こすし、そりゃもううわーってなるわ。×つけてる場合じゃないわ(微笑)。
Q●雨のなかで健次と理美が見つめあうシーン。理美の表情はなんとなく理解出来るのですが、健次は理美を睨むような顔をしている。何故あの表情になったのでしょうか
青木●あれは彼女を睨んでいたのではなくて……健次は罪を犯してひとりで生きてきて、自分はこの先の人生素敵なことなんて起こらないと思っていた。そこへ綺麗な女性が…外見だけじゃなくて……女性が現れたことによってどうしようみたいな戸惑いが生まれて。十何年ひっそり暮らしてきたわけですからもういいんじゃないか、生活を変えてもいいんじゃないか、とは思いつつも、そんな自分を許してもいいんだろうかとも迷っている。それでああいう表情になりました
Q●あのあとの、理美にごはん用意するとこ好きでした
青木●有難うございます
Q●これは興味本位の質問なんですが、健次の仕事、あれは何をやってるんですか?
半野●廃棄物を高熱で溶かして不純物をのぞき、純度を上げて再生物をつくる作業です(だったかな)
興味本位の、って言葉が出たとき監督も青木さんもなんか身構えて、そのあと続いた質問を聞いたらちょっとほっとするような空気になった。こういう場で変なこと訊くひとっていますもんね……。
Q●健次の名前の由来を教えてください
半野●あーそれすごく聞かれるんですけど、ほんとなんとなく……取材で中上健次ですか? と言われて初めて気がついたんですけど。中上健次は大好きでしたけどそんなつもりは全くなくて、なんだか申し訳ない……。あの、もともとあの名前は高校の同級生なんですよ。飯田健次
青木●えっ、それ初めてきいた
半野●卒業アルバムから顔似てるひとをさがして、区役所で……(書いていいのか微妙なので略)そうして他人になりすます。これ、(則夫が健次になった)2001年当時は可能だったんです。当初はこの流れも台本にあったんですけど、撮らなくていいと判断しました
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12月16日(金)
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