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I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『雨にゆれる女』2回目、アフタートーク、あれやこれや
『雨にゆれる女』@テアトル新宿
うーん、頭に棲みつかれた。最初に観てから日に日に思いは強くなる。あの映像、どうやって撮ったんだろう。時間は、天気は、役者たちの反応は……? そんなところ渡りに船、撮影監督のアフタートークがあるというので再びテアトル新宿へ。山田達也カメラマン、松田広子プロデューサー、そして山田さんともよく組んでいる篠崎誠監督がゲスト。ああ! ああ! となるあれやこれやが聞けた、行ってよかった〜。
・イベントレポート|公式Facebook
早速レポートがあがってました、有難い〜。こちらでは補足的なことをおぼえがき。記憶でおこしているのでそのままではありません、話が前後しているところもあります。ご了承ください。間にちょこまか入っているのは私の感想です。
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山田●半野監督からの映像のイメージは『百年恋歌』と『ブエノスアイレス』。リー・ピンビンとクリストファー・ドイル、両極端とも言える全く違うタイプの撮影監督か……と頭を抱えた
『ブエノスアイレス』ってタイトルが出たとき「ああ〜(あの緑!)」って声が客席からあがってました。あれなー! あれなー!
篠崎●健次の家とか、工場とかってモノトーンだったりアンバーになりがちなところ、湿度のある非常にリッチな画になってた。これがアジア的と言うのかなって
山田●健次の家はねえ、最初はそれこそ工場の一角みたいな、間借りしてるって感じだったんです。でも、見つけちゃったんですよね……
篠崎●贅沢な撮り方してるよね、同じところを撮らない。一階と二階があるとか、少しずつ家の全容が見えてくる。シャッターを開けるとこがよかったね、あれで健次の心も晴れたように見える。で、そのとき理美がいる二階があんな感じだったんだなあとわかったり
山田●見つけちゃいましたからね、あそこ
「見つけちゃった」って何度も言ってた(笑)いやホントロケハンの賜物! 初見時感想に「鉄扉」って書いたけど、篠崎監督が話してるシャッターのことです。あのシーンはほんと印象的だった。
山田●今世間では4Kとか言ってるけど、ウチは3K(画質のことじゃなくて危険汚いきついのあれ・笑)。照明も自分でやってたからたいへん。予算もなかったし……そんななか衣裳デザイナーの宮本まさ江さんが「美術やろうか」と言ってくださって、とても助かった。健次の部屋にこんな色がほしいな、となったら布とかすぐ出してきてくれた
山田●カメラマンは情報を入れたがる傾向があって、あれもこれも撮らなきゃって思う。半野監督は音楽のひとだから「あがってくる足音を入れるから階段は撮らなくていい」とかの判断がハッキリしてた。レンズに関しても50ミリ、とか。「油絵のように」というオーダーも
ちなみに半野監督のFBによると、最も影響をうけたのはカラヴァッジョの絵画とのこと。
・『雨にゆれる女』の色彩と黒/闇について|Facebook
山田●ラストシーンの海岸は、明日台風がくるよって日だった。クランクアップの日でもあって、深夜〜夜明けに海岸、そのあと(佐貫)駅のシーン、ホテルのシーンを一日で撮った
あああ、だからあんなに異様な空だったんだ! 現場は大変だっただろうけどあの画はほんとすごかった、天気も味方したんだなあって思ったよ〜! 観られてしあわせ。
篠崎●どんなに事前にリハしてても、役に入り込むと俳優は予測不能な動きをしたりする。スタートって言ったらあとは監督は祈るだけ、「フレームに入ってくれ!」って。でも入らなくてもよかったりすることもある
山田●でも、実際入りますよね。どう対応するかは考えるけど、そこは思い切りが必要
健次の部屋に女性が入ってくることで赤が増える、って話も興味深かったな。火の男の赤、水の女の青、というイメージだったけど、華やかさや光と言った部分での暖色は理美が入り込んできたことの象徴でもあるなあと。
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12月07日(水)
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