ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
[648315hit]
■『成河一人会〜山猫の恩返し〜』
『成河一人会〜山猫の恩返し〜』@八幡山ワーサルシアター
昨年の一人会がとても楽しかった…と言うか素晴らしかったので、今年も参加。マチネを観ました。前回は稽古場見学の趣がありましたが、今回は劇場での公演(マネジャーさん曰く「次は武道館か? いやその前に帝国劇場か(笑)」)。内容も前回のアンケートを反映したとのこと。メインは「どんぐりと山猫」。何故この作品かと言うと、↓
・検討中「どんぐりと山猫(おはなしのくに)」NHKオンライン|Eテレ
マネジャーさんから「再放送のご要望を出してくださった方、それにご賛同のEネを押してくださった方、また、『どんぐりと山猫』を見たいと思ってくださった方、皆様への感謝を込めて、当日、演じさせていただきます」とご挨拶がありました。
さてワーサルシアター。お初です。縦横の比率はスズナリくらい、席の間隔はゆったりめ。客席数は100くらい。入場時に席を抽選。上演作品にちなんで、チケットはどんぐりでした。かわいい。袋に手をつっこんでちいさな粒をひとつ取り出します。楽しい。
地明かりのみの裸舞台。まずはマネジャーさんからご挨拶と上演中の諸注意。それでは…と下手側袖を見やる。舞台袖には楽屋が見えないように幕が張ってあったのですが、その幕と言うのが今急いで張りました! 感丸出しの養生テープベタベタ仕様で大ウケ。実はこれ、演出だったようです。マネジャーさんが「さて、開演ですよ…あれ? どうした?」と舞台袖に観客の視線を惹き付けていると、突然客席背後から通る声。歌だ! 朝鮮民謡の調べを唄い乍ら、後方から成河くんが登場です。頭にはサンモ、腰にはチャング。男寺党(ナムサダン・放浪芸の集団)の扮装です。やー、この掴みには持ってかれた。
弾き(叩き)語りの「どんぐりと山猫」。踊り乍ら演奏すると言う難易度の高さも然ること乍ら、戯曲ではない物語の地の文、登場人(動)物全員の台詞を声色変えてひとりで演じる。冒頭の、山猫から一郎に届いた「おかしなはがき」の文面のたどたどしさ。ひらがなが多かったり、語彙がおかしかったりと、目からの情報で伝わる文面のつたなさが、彼の声色で目に浮かぶよう。出発した一郎が道を訊く栗の木、笛ふきの滝、たくさんのきのこ、りす。それぞれのキャラクターがいきいきと動き出す。腕を伸ばせば枝になり、丸くなれば茸に。滝をサンモについたリボンで表現されたときには思わず嘆息。馬車別当に会い、山猫とどんぐりの裁判へ。ひとりで演じているのにどんぐりたちのがちゃがちゃわいわいっぷりと言ったら! 多彩な声と動きで、舞台に立っているのがひとりきりと言うのがなんだか信じられないくらい。しかもご本人が本当に楽しそうに演じている。裁判終わって日が暮れて、すうっと森が消えていく。一郎のちょっと寂しい気持ちが、しん、と残る。成河くんがにっこり笑って終演。おじぎ。はー、しばし呆然。そして大きな拍手。
二十分の休憩後、後半は歌とお話? のコーナーです。先程サンモで隠れていた髪はなんともいい具合のヤンキー金髪(根元は黒い)、「私服でどうも〜」。ギターを抱えるその姿はなんだかな、ながぶch(略)……なんだなんだと思っていると、先日迄収録していたドラマ(『紅雲町珈琲屋こよみ』)のための髪型だそうで。「中途半端なってことで、この根元が黒いのもわざとなんですよ」ですって。その姿で「鴨井商店の紺野で〜す」。『マッサン』のキャラクターですね(笑)。「大将(堤真一さん)は今バリで稼いでるみたいですけど(『神様はバリにいる』のことですね・笑)麦と言えば? 麦と言えばウイスキー…ではなくて……? ビールですよね〜!」という訳で? 主題歌の「麦の唄」を弾き語り。マイクなしの素の声が通る通る。高音も綺麗に響きわたる。素のとき何度も咳払いをしていたので喉の調子が悪いのかな? とちょっと心配になりましたが、演じ始めると全くクリアな声でした。
[5]続きを読む
01月24日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る