ID:43818
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by kai
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■小林建樹『Waltz 〜秋の夜長に〜』
小林建樹『Waltz 〜秋の夜長に〜』@cinécafé soto

Vo、Key:小林建樹、B:千ヶ崎学、Drs:宮川剛。バンド de ワンマン十年振り!待った…どれだけ待ったことか。取りこぼしなければ(もう記憶の彼方だよ…)都内でのワンマンはこれ以来、バンド(トリオ編成)はこれ以来かと。

いやはや凄かった…眠れる獅子が目覚めたと言うか寝た子を起こすと恐ろしいと言うか、はあああ凄かった。聴く集中力を使い果たした、ヘトヘトになった…疲れ果てて帰宅して文字通りバタンキューでしたよ。聴いてる方がこうなるって、なんなんだ。プレイヤーの熱にあてられたかのよう。ホント、小林さんの奏でる音楽の熱量は凄まじい。このひとのライヴ観たあとって凄い、凄まじいって言葉ばっかり出て来てしまう。本人は楽しそうに演奏しているし、凄絶なんて言葉は似合わないような美しいメロディの曲ばかりなのにな。

プレイヤーを扇形にぐるりと囲む客席配置。めちゃ近い。最前列のひとは1.5mもないんじゃないだろうか…千ヶ崎さんのところなんて、手を軽く伸ばせば触れちゃいそう。ドラムのすぐ近くに座ったので音のバランスはどうなる?と不安でしたがいやいや全く問題なかったです。むしろ生音をこれだけ至近距離で聴けるってのがいい。楽器や声は勿論、キータッチの音やペダルを踏む音もしっかり聴こえる。小林さんの声にスネアのスナッピーが共鳴してビリビリ言いそうになると宮川さんが即ストレーナーをオフにしたり、そういう細かいところも見られて楽しかった。この客席配置はcinécafé soto出演常連の千ヶ崎さんのアイディアだそうで、「千ヶ崎くん『僕が考えたんや〜』て言ってた」と小林さん。しかし一度ライヴエリアに入ってしまうと出入りが大変、MC中チューニングキーをとりに行かせて…と席を立った宮川さん、客席の間を縫ってもたもたしていたら千ヶ崎さんに「どこ迄行かはるの」なんてつっこまれてました。

十年振りに集ったトリオは、ときを埋める音楽と言う共通言語を持っていました。しかも各々の腕はますます上がっている訳で(当時から凄かったが)、こういうプレイヤーが演奏するとホント音楽が生きものになる。そしてバンドでしか聴けないサウンドと言うものがある訳で、それは例えば小林さんがキーから両手を離し、歌の感情とともに腕を動かしたい!と言うとき、ベースラインがちゃんとある。リズムが刻まれている。「前世は黒人、その前世も黒人、としか思えないようなビートを叩く」と紹介されていた宮川さんは、小林さんが近年興味を持っていると思われるアフロポリからMCにも影響が見られた(笑)昭和歌謡、そしてここ何度かの演奏で聴けた「B.B.B」のアレンジに顕著なスウィング、シャッフルなリズムを自在に繰り出していた。それにぐいぐい絡む千ヶ崎さんのベース、このグルーヴ!

ひとりきりではないので若干リラックスしていたのか、この日の小林さんはよくフロアを見渡していました。あとなんて言うか…今は体力がある?感じ。以前はライヴの度に風邪ひいたり唄うの苦しそうだったりしてましたもんね。なんか、よかったなあと思ったり。

新旧織り交ぜたセットリスト。MySpaceでしか聴けなかった曲やお蔵出しナンバーもあってとても貴重でした。雑誌に載っていた種ともこさんの「悲しいほど自由」の歌詞(検索してみたら、作詞は森雪之丞さんのようです)を見て、それに曲をつけたと言う超初期のものも。キー低!「ミモザ」より低!これは新鮮でした。低音の声もよいですよね、ほんとギフトな声。「歌詞に興味がない」と言うMCが興味深かった。「詞も曲の一部だと思っているので歌詞単体には興味がなくて、歌詞から曲を作ることもないんです。でも、この詞は読んだときに『あっ、これに曲をつけたい』と思ったんですよね…そう思ったことなんてこれが初めてで、その後もない」。個性的な言葉選びで詞を書くひとがこんなこと言う…そうそう、今回「歳ヲとること」をとても久々に聴けて嬉しかったんだけど(アレンジが変わっていて、何だっけ…と思っていたらこの曲のコード展開が始まったので一瞬「うぇ」とかヘンな声出そうになりましたね嬉しくて)こんなタイトル、こんな歌詞の曲をデビューアルバムで発表しているその老練さに改めて恐れ入りました。


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10月05日(土)
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