ID:43818
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by kai
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■六月大歌舞伎 昼の部
初代 市川猿翁 三代目 市川段四郎 五十回忌追善
六月大歌舞伎 昼の部@新橋演舞場
二代目 市川猿翁 四代目 市川猿之助 九代目 市川中車 襲名披露
五代目 市川團子 初舞台
『小栗栖の長兵衛』『口上』三代猿之助 四十八撰の内『義経千本桜 川連法眼館の場』市川猿之助宙乗り狐六法相勤め申し候。先週夜の部での猿之助さんの口上によると「最初古典歌舞伎とスーパー歌舞伎を昼と夜でやりたい、と言ったら、無理です、と言われました」そうです。でもスタッフの実力と決断力で実現してとても嬉しいと仰ってました。
『小栗栖の長兵衛』にしても『ヤマトタケル』にしても、作品選びは猿翁さんと猿之助さんと松竹の意向をすりあわせるのでしょうが、なんとも役者陣の背景を感じさせるものが揃った。すごみを感じさせるもので気持ちが沸き立つ反面恐ろしくもあります。それを観られる機会を得られたことにも。息子との和解に時間がかかった『ヤマトタケル』の帝、はみ出し者があることをきっかけに受け入れられる長兵衛。思いを巡らせずにはいられませんでした。
それはともかく中車さん、愛嬌のある乱暴者キャラクターがとてもかわいらしい。しゃがれ声が長兵衛らしいなあとすら感じられるし、台詞の聴こえも全く問題ない。香川さんの舞台は2003年、蜷川さん演出の『桜の園』以来でしたが、このときも力の入った台詞回しで声はしゃがれ気味、でも言葉がかすれると言うことはなかった。なのでもともとこういう喉なのかな…と思ったりしたのですが、七月もみっちり舞台は続くので、千秋楽迄もつといいなあと思いました。話の筋も分かりやすいもので言葉も比較的現代のものだし、門出を祝うにぴったりの作品だと思いました。巫女小鈴役の春猿さんが相当おかしかったです、細かいところで笑えることを沢山やってた(笑)。
口上。藤十郎さんがまとめておりました。彌十郎さんの裃、マカロンカラーのような明るい橙色。すごい綺麗だったー。大和屋さんとこは彌十郎さんだけだったのですごく目立ってました。あーもー素敵ー!そんでまた彌十郎さんの口上がすごいよかったんですよ……「25歳で父を亡くし、お兄さん(猿翁丈)に指導を受け、演出やオペラについても教えてもらった、海外にも連れて行ってもらった、おいしいものも沢山教えてもらった。今の自分があるのはお兄さんのおかげ。猿之助さんの初お目見得は『義経千本桜』の安徳帝、私が抱っこして舞台に出た。手がしびれた。中車さん、團子さんとも、もう思い出もいくつか出来た。團子さんに楽屋や廊下で遊んでもらっている」。ううううう〜(笑泣)。寿猿さんの「先代の團子が猿之助襲名のとき口上に出たが、あれから50年経ち再び列座に……」には客席からどよめきと拍手がわきました。
猿之助さんの口上は、初日に出たニーチェの話はしませんでしたが、亡くなった方や目に見えない存在に対しての敬意と感謝を表したところがらしくてよかったな……。中車さんは決意の程がひしと伝わる口上。團子ちゃんは例の口上で(おじいさまより立派な歌舞伎役者に〜☆)かわいかった。
そして最後に猿翁丈が登場。その姿に客席が一様に息を呑む。声が殆ど聴き取れない…それでも舞台に現れる、その執念と役車魂に触れるひととき。客席各所ににらみをきかせ始めると、弾かれるように拍手がわきました。幕が下りた後の客席には、普段とは異質な空気が流れていました。
さて『義経千本桜 川連法眼館の場』!四代目の源九郎狐は利発でやんちゃな仔狐でした。ほろりほろり(涙)『渋谷亀博』で上映されていた四ノ切ドキュメントを思い出しつつ観ました。
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06月17日(日)
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