ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『テルマエ・ロマエ』『南部高速道路』
『テルマエ・ロマエ』@新宿ピカデリー スクリーン3

いやー笑った笑った。以下ネタバレあります。

別ものと思いつつも、原作を先に読んでいると…となりがちな映画化ですが、今回それが気にならなかった!原作のおかしみがしっかり活きていて、映画のオリジナル部分の構成にもニヤニヤさせられました。時空を超えるときオペラ歌手が唄い上げるとか、その時空を行き来する(もとの世界に帰る)要因とか。字幕や記号的なギャグ(「BILINGUAL」とか「ワニ」とか)を折り込むタイミングもいいー。

要因と言うのは涙を流すこと(ってところがまたキュンとなっていいわー)で、終盤それが明らかになったとき、ルシウスにその思い当たるシーンがフラッシュバックするんですが、そのいちいちが面白い!悔しくてとか殺虫剤を顔に吹きかけちゃったとかいろいろなことでルシウスは泣くんですが、そのなかにウォシュレットを使って悦楽お花畑、のシーンも含まれるのです。リアルタイムでは見落としちゃったんですが、ここがフラッシュバックしたってことはルシウスはウォシュレットの気持ちよさ+感動で涙を流したのね!な、泣く程だったのね…と二段で笑った……。

阿部さんは右目だけから涙をすーっと流すんですね。これがまた絵になりました。時空超えとは関係ないシーンですが、ハドリアヌスに「二度と私の前に現れるな」と言われたときの涙のシーンはせつなかったー。真顔にもいろんな表情があって素敵でした。ルシウスをヘルパーさんと勘違いしたおじいちゃんにシャンプーハットの使い方を教えてもらってるときの、ずーっと変わらない真顔がすごい笑えた。ここ編集のテンポも絶妙でした。

平たい顔族の面々もいいカオばかり!竹内力がこっちチームに入っているのが不思議でしたが、平たい顔族の血気盛んなとこ見せたれな後半の仕事っぷりに納得させられたり。あとねことかろばとかちょこちょこ出てくるどうぶつもかわいかったー。

平日昼間だったせいか、客席に平たい顔族のおじいちゃんが沢山いたことにもほっこりしました(笑)あー温泉行きたい。

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『南部高速道路』@シアタートラム

面白かった!面白かった!(二回言う)うわーリピートしたいよー!

『LAST SHOW』の頃だったか、長塚くんが「観客を巻き込むプロレス的な力」の話をしていましたが、今回その「プロレス的な力」とは違う形で、観客が舞台上の状況に引き込まれる、登場人物たちと共にいるかのような劇世界が提示されます。ある種の約束を、演者と観客が結ぶ。そこには風通しのよさがありました。長期に渡りワークショップを重ねて作り上げたもの、そして長塚くんがここ数年(殊に英国留学から帰還後)模索してきたことのひとつの成果としても興味深い作品です。面白かった!(三回目)

『エレファント・バニッシュ』『春琴』もそうでしたが、この辺りは公共機関の体制があるからこそ、だと思います。ああ、こういうのは大事にしたい…大阪の文楽じゃないけど、世知辛い昨今こういうとこの予算から減らそうって風潮にはもやもやする…悲しい……。

話が逸れた。以下ネタバレあります。

個人の好みもあるかと思いますが、今回の作品は観客の想像力を信用するバランスが絶妙でした。野田さんが『THE BEE』のパンフに書かれていた「小道具の“見立て”」の、観客への伝達方法がスマートで押し付けがましくなく、なおかつ視覚的にも鮮やかです。傘を持ち歩き回るひとびと、傘を拡げ、列に並び、傘と荷物を床に降ろす。渋滞が出来上がる。車扉の開閉を、傘を転がすことで表現する。このシーンの頃にはすっかり演者と観客の了解が出来ている。


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06月14日(木)
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