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I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『MISSING BOYs』初日
『MISSING BOYs ―僕が僕であるために』@赤坂ACTシアター
いやーよかった。いろんな意味で胸をなでおろした(笑)ドリンク自販機が120円になった時、「ぬくもりが百円玉で買えなくなったわねえ」と連想するくらいにはOZAKI(敢えて記号化)刷り込まれ世代です。しかし、スズカツさんが構成演出でなかったら行かなかったであろう企画でもありました。尾崎豊さんの書いた歌をモチーフに、スズカツさんがどんな舞台を作るのかに興味があったのです。
いやーもうめっちゃスズカツさんでしたわ。15年後の『MARQUEE MOON』だ!ミュージカルではない、ライヴとも違う、音楽が側にある舞台。タイトルには「A original music play with OZAKI songs」と言うコピーが付いていました。プログラムにも書かれていましたが、「理解する」ではなく「感じる」作品だと思います。骨格となるストーリーはある。しかしそれが全てではない。役者、唄い手、ラッパー、ストリートバスケチーム、タップダンサー、ダンサーとセクション分けされた出演者が思い思いに自分の見せ場で自分の能力を最大限に発揮するシーンの連続で飽きさせません。
尾崎さんの書いた歌詞が台詞の端々に現れ、歌はさまざまなアレンジで唄われる。驚いたのは、藤本涼さんのモノローグと熊谷和徳さんのタップのシーンが、この作品のキモ(と個人的には思った)になっていたことでした。このシーンには、尾崎さんの曲と詞が使われていないのです。演奏はない。歌もない。独白調の台詞は感情を排し、抑揚を抑えたもの。照明はピンスポットのみ。しかし藤本さんのモノローグにはメロディが宿り、熊谷さんのタップのリズムは何よりも雄弁な音楽で、なおかつ尾崎豊と言う人物が存在した、と言うことを示すものになっていたのです。
熊谷さんが、敢えてタップの板から降りて踊るシーンがあります。この光景は、まるで作品の魂のようでした。
一幕終盤にもこのふたりのシーンがあります。こちらは藤本さんのポエトリーリーディング(尾崎さんが書いたテキスト)と熊谷さんのタップ。両者ともに劇場全体を支配するかのような存在感でした。熊谷さんがすごいひとだと言うのはもう周知ですが、初舞台(つうかデビューですよこれが)の藤本さんもすごい。デビューって誰しも一度しかないものですが、その舞台でこれだけ観客の集中力を惹き付けることってなかなか出来ないことではないかと思います。今後の活動が気になります。
舞台上に生きる登場人物たちには、尾崎さんの人物像を思い起こさせるキャラクターが潜んでいる。若いからこその焦燥、大人になったからこその諦念。そのどれもが決して器用に対処出来るものではありません。尾崎さんの残したものは歌なのでしょうが、その歌が、曲や詞から離れたところでも何らかの形で作用するようなマジックを見た気がしました。
その他おぼえがき。
・いやースズカツさんてツラガマエメンクイだよねー(笑)
・トリックスター、インチキ、“15 minutes of fame”
・インチキって命を賭けられるもんだよね…
・と言うか、インチキって命を持ってかれる程魅力的で恐ろしいものなんだ
・あれ、この振付…と思ったら川崎悦子さんだった!うわーんあのピラミッド隊形でのダンス、第三舞台のダンス刷り込まれ世代には感涙ものです
・「一体何だったんだ!こんな暮らし」のラインはOZAKIの叫びで刷り込まれているのですが(苦笑)、ポエトリーリーディング的に語るとビッケ@ソウルセットみたいになるんだわ(笑)
・日替わりゲスト、初日は河村隆一さん。ACTシアター繋がりかな?
・22日マチネには坂本美雨ちゃんが出るよ!
・そしてそうだった、『トゥーランドット』の時思ったんだった、ACTシアターて音響バランスがなかなか難しいところだったと…
.オーケストラピットの上がフェンス(って言うのか?地下鉄の通気口みたいな感じ)になってるんですが、そこの上で唄う中村あゆみさんのピンヒールが穴にはまって何度かガクッとなっていた。大丈夫ですか…
・中村さんの歌は流石でした。毎日公演であのテンション維持するのはとても消耗するだろうなあ。無事楽日を迎えられますように
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04月18日(土)
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