ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『ダイアログ・イン・ザ・ダーク TOKYO』とか
『ダイアログ・イン・ザ・ダーク TOKYO』@レーサムビル B1F

飴屋さんの『バ  ング  ント展』後に知って、でもなかなかチケットがとれなかったり、スケジュールが合わなかったりで、ようやく体験することが出来ました。ひー、4年越し。わずか8名のためだけにあるイヴェント、見えない展覧会。

20分毎に、8人1グループで出発。指定時間に集合し、まず自分の身長に合った白杖(はくじょう)を選びます。目を慣らす為、徐々に照明を落とした部屋を進んで行きます。真っ暗闇になる一段階前に、アテンドさんを紹介されます。暗闇のエキスパートである視覚障がい者さん。自己紹介をして、お互いを呼ぶ愛称を決め、暗闇の空間に入っていきます。

本当に真っ暗。聴覚と触覚、嗅覚、気配を読む感覚だけが頼り。

林を抜け、水辺に立ち、橋を二回渡って(一回は吊り橋)アテンドさんのおじいちゃんの家へ。縁側で靴を脱ぎ、畳の部屋に上がってちゃぶ台に載せてあるひんやりした野菜に触り、箪笥の上に置いてある鉛筆の匂いを嗅ぎ、鉛筆削りやラジオを手に持ってみる。おじいちゃんは留守だったのでおいとまして、靴を履き街へ出る。点字ブロックや自転車が置かれている通りを歩き、アテンドさん行きつけのバーへ。席に着いてのみものを頂き、そろそろお別れ。少し照明を入れた部屋に移動して、感想を言い合います。アンケートに回答して外に出る。ロビーに夕方の日差し。スタッフさんに挨拶をしてさようなら。

入った空間がどのくらいの広さか、どのくらいの天井の高さだったか、どんな間取りだったか等の種明かしはありません。ボランティアスタッフに参加すれば、(設営や整理があるので)明かりがついた状態で見れますよとのことでした。途中アテンドさんが経過時間を教えてくれます。感覚が尖っている状態だからか、体感時間とあまり差はありませんでした。

コースの途中でお互いの誕生日順に並んでみたり、ひとりずつ数字を21迄言う(被ったら最初からやりなおし)ゲームをしたり。せっかくなので3の時ナベアツになってみました。初対面同士で声を掛け合い、手を繋いだりして道を進む。触覚と聴覚がセンサーのメインになるので、普段(視覚を使っている状態)よりも積極的に声を出すし、積極的に触る。異性だろうが躊躇なく触る(笑)それが自然なコミュニケーションになる。

アテンドさんは最初の自己紹介で全員の声と名前を把握していたようで、名乗らなくても誰がどこにいる、と言うのを殆ど判っていたようでした。バーで乾杯する時「せっかくですから、さっき教えてもらった皆の誕生日で、いちばん今日に近い○○さんをお祝いして乾杯しましょう」と言っていた。バーにはのみものを準備してくれるお店のひとがいたんだけど(多分このひとも暗闇のエキスパート)オーダーする時誰がどの位置にいる、と説明をしなかったのに動きに迷いがなかったように感じたし、サーブしてくれる時もグラスがぶつかるようなことがなかった。こちらはグラスを傾ける角度の感覚が判らず、飲む時だーとなりかかったりした(笑)無意識に視覚に頼っていることって沢山あるんだなあと改めて認識。

無意識に頼っている感覚と言えば、足の裏の感覚をすっごい自覚したー。能楽師か!てな程摺り足で歩いたし。なかなか足を地面から浮かせられないんです。反面感覚を鋭くしていたつもりだったのに、いきなり目に葉っぱが入ってきて痛ー!となったり。葉っぱなんてかさかさ言うから気付くもんだろうと思ってたけど、風が起こらないところでは思ったより気配が署ルめませんでした。こういう場合は実際に触っていかないとダメだなあ。あと使ってみて解る白杖の便利さ。すごい使えます、この道具。ねこのひげみたいなものなんでしょうな。

暗闇恐怖症らしき子がひとり参加していて、入る前に怖がっていました。始まってからはパニックを起こした様子もなく、ああ大丈夫だったんだなと思っていたのですが、終了後スタッフさんにどうだった?と訊かれ、「しばらく涙が止まらなかった」と言っていました。この気配は読めなかったな…この子は誰にも気付かれず泣いていたんだ。暗闇が怖いのに、どうして参加してみようと思ったのかな。勇気がある子だな。動機を訊いてみたかったけど、そのまま別れてしまった。

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04月12日(日)
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