ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『I LOVE THE MODERN WORLD』『どん底』
STANLEY DONWOOD『I LOVE THE MODERN WORLD』@東京画廊
レディオヘッドのアートワークを長年手掛けているスタンリー・ドンウッドの個展。3セクションで手法はスクリーンプリント、エッチングとその銅版(凹の方)、アクリル画、ミクストメディア。
エッチングと銅版は対ではなく、別々なものが展示されていました。つまり、紙に刷られたエッチングの銅版の展示はなく、額装された銅版作品には刷られたものがない。銅版があるとどうにも刷ったものも観てみたい欲求にかられるのですが、これが不思議な喪失感を感じさせる魅力になっていたように思います。どちらも緻密で面白かった。刷られた方に「SALARYMAN」と言うタイトルのものがあったのですが、これは日本での展示だから、なのかなあ。
個人的にはアクリル画のセクションがいちばん好きでした。全て2008年作。今回の展示用の描き下ろしかな?会場で配布されていたパンフレットにも、このシリーズがメインで掲載されていました。吸入器のモチーフって昔からよく使ってますよね。『THE BENDS』の頃からだから…結構長いなあ。でも以前見た同じモチーフ採用の作品とは違い、フォーカスも色使いもハッキリしたヴィヴィッドなものでした。
(帰宅後気になって検索してみたら、ドンウッドは子供の頃喘息持ちだったとのテキストが見付かりました。生涯通じて興味を持ち続ける、馴染みあるものなのかも知れません)
トム・ヨークのソロアルバム『THE ERASER』のジャケットアートもありました。ジャケットとは違う、墨と金色の2色刷り。ちょっとゴージャス。ギャラリーですから販売も行っており、これがいちばん売約済みのシールの数が多かったです。雑居ビルの7階にある小さなスペースには、ひっきりなしにひとが訪れていました。エレベーター動きっぱなし(笑)
ご本人も来日されているそうですね。まだいるのかな?以前あまりにも裏方に徹していたので、スタンリー・ドンウッド=トム・ヨーク説ってあったなあ(笑)見ている風景は似ているのでしょう。それを音で表現するか画で表現するか。
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『どん底』@シアターコクーン
「『わが闇』で生きることを肯定しちゃったからなあ…」とインタヴューで答えていたケラさんですが、思えばこれ迄全滅ものの作品多かったですよね。『すべての犬は天国に行く』とか『消失』とか。その流れから思うに、今回『どん底』を演出したってのはなんだか納得の流れだなあ。狙ったことではないのかも知れないけど。
ひとの命がどれだけ軽いか、しかしその軽さにはどれだけのひとの思いが含まれているか。そしてああいう状況の中でも、「シマウマ一族とライオン一族」の恋愛が成就したことにほんのちょっと救いがある。それが役に立つかは判らないが、それでもそこに笑顔が生まれる。
それにしても美しい台詞が多かった。「あの世はこの世の休息所だよ」。そしてどん底には音楽がよく似合う。音楽には笑顔を誘う力がある。パスカルズの音楽よかったー。公演期間の前半後半で演奏メンバー変わるそうです、両方聴いてみたかったなあ。
役者陣は充実、皆さん達者な方ばかり。今回2階席の後ろから数列、と言うような位置で観たのですが、風や雨の音響がかなり大きい中でも皆台詞が通る通る。舞台が2度目の江口さんですら、です。池谷さんなんて死にかけてる役だからとても弱々しい声を出しているのにしっかり台詞は伝わるんだなー。単に発声技術だけの問題じゃないと思う。本来これがあたりまえだと思いたいんですがね…。いいカンパニーです。そして大森さんがサックス吹けるのは知ってたが、段田さんがフルート、三上さんがサックス吹けるの初めて知った。すごいー。
マギーがいいアクセントになっていました。ブレーキにもなりアクセルにもなり。山崎さんはああいうアホの子のふりしていちばん危ういものを背負っている役をやると輝くひとだなあ。黒田くんはアホの子そのものだったなあ(笑)段田さんの巧さは言う迄もなし。
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04月12日(土)
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