ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『王の涙 ―イ・サンの決断―』『薄氷の殺人』
かの女性を「隠す」演出もいい。初めて登場したときは、掌で顔が覆い尽くされている。二度目も三度目も、顔が映らない。長い素足、漆黒の髪が目に焼き付く。顔を晒してからも、マフラーやコートの襟によって、彼女の顔は幾度も隠される。それが最後のシーンに効いてくる。衣服(彼女が仕事にしていたクリーニング業務にも繋がる)からも、男からも秘密からも、カメラからさえも解放されたかのような表情。彼女が見上げた「白昼の花火」をあげていた「酔っぱらい」は誰なのか? ひとりの人物を想像する。彼は彼女から解放されたのだろうか?
幾度も急展開する事件の真相、解決とは言えない結末。謎はいくつも残る。ひとも社会も、矛盾に満ちている。不可解なミステリ、不可解な人間。そこに惹かれる。魅力も興味も尽きない。
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・『薄氷の殺人』ディアオ・イーナン監督、中国の映画作りを語る:CINRA.NET
中国では「製作の出資を受ける際に、なるべくカットを多くしてくれと、カット数を指定してくる」んだそうです。カットが多ければ多い程商業的=ヒットすると思われているとのこと。シェー。日本公開版は長回しメインの監督にとって「望ましいほう」のヴァージョンだそうです
・『王の涙』とハシゴして…と言えば、どちらにも「洗濯をする女性」が出て来たわ。そしてどちらも、道を踏み外さないでは生きられない女性だった。世が世なら? 時代が時代なら? この国に、時代に生まれなければ? ここにもまた運命
・もっさりしてからの主人公がmotkの川崎さんになんか似てて、途中からもう「川崎さん気をつけて!」「川崎さんそんなに呑んじゃダメ!」とドキドキしていた(バカ)
01月22日(木)
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