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I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■高橋徹也 × 山田稔明『YOU'VE GOT A FRIENDーCan we still be friends?』
そして山田さんのカバーは、タイトルコールと同時にどよめきが起こった「壊れかけのRadio」! 「朝方で、4時くらいには起きてウォーキングをしてるんですけど、井の頭公園に行くと丁度ラジオ体操の時間なんです。ちっちゃい自分用のラジオを持ってきてるひとがあちこちで、ラジオのボリュームを目一杯あげて体操してる。音が割れて……あー、いつかこのラジオ壊れるなあって……」からのタイトルコール。思わず巧い! と膝を打ちたくなるような導入だった。
おふたりとも夏を意識した選曲。そもそもこのライヴ、「暑いねー夏はライヴの本数減らしていこう」というメールのやり取りを始めた1時間後には決まってたとのことで……(笑)。
・新オープンするミュージックバーで高橋徹也と山田稔明2マンライブ決定┃monoblog
この内容からして山田さんの企画だな。「天の時、地の利、人の和」ってやつ!
ふたりで会って何を話すかというと、病気の話。高橋くんの方から弱っていく。心外だなあと苦笑いの高橋さん。親が死ぬのも高橋くんが先で……高橋くんの方が歳がふたつ上で、人生のちょっと先を行っていて、そういうひとと付き合いが長く続いているのってなかなかないですよね。とかいいつつ今回のライヴのタイトル「Can we still be friends?」なんですけどね〜と山田さん。いい距離感。仲良くなったきっかけというか、最初に呑もうと声を掛けたのは高橋さんだそうで、吉祥寺の呑み屋に誘われた山田さんは「何話すんだ! とビビって、丁度吉祥寺東急の物産展に出ていたマイメンの職人イガラシくんを誘って連れていった」だって。微笑ましい……。
ふたりともライフログを残す習慣があるので、それを日々読んでいるひとも多いだろう。確かにここ数年で、高橋さんのご両親が、そして山田さんのご両親が亡くなり、ふたりとも体調を崩していた。歳をとればそういうことが増えてくる。共に年齢を重ねていっているのだなあとお互いちょっと心強いところもあるのかもしれない。と一介のリスナーは思うのだった。あれよな、歳をとったからこそ訊きたいこととか話しやすいことってあるよな。冠婚葬祭の後ろ半分のこととかな。あと病院な(実感がこもる)。
で、山田さんのエレクトリックギターの話。ポータブルギターではないと思うけど、サイズもちいさめでかわいいルック。「前にウチに来たとき『このギターいいねえ』と気に入ってたので、買ってくれない? といってるんだけど……」「そのときは『うーん』とかいってたのに、こっちが断捨離モードに入ってから『買わない?』っていうからさあ」。あとなんだ、このときパンダの話してなかったっけ? 白黒カラーだったのでパンダ好きの高橋さんの琴線に触れたのかもしれない(幻聴だったらすみません)。
ということで、このギターは当分山田さんのもとにありそう。しかしいい音だったなあ、エフェクターとか音響の影響もあるんだと思うけど、アンプを通した音が絶妙なひずみで響く。箱鳴りも含めてアンプ通ったみたいな。大きなホールとかでは伝わらなさそう、このくらいのスペースにぴったりな音。唄い手を選びそうなギターでもある。山田さんの声にとても合っていたけれど、高橋さんの声だとどうなるかな? 聴いてみたいなーという欲も出る。ふたりで使えばいいじゃなーい。
アンコールでは何をやるかで譲り合い。リストを見乍らこそこそ話し、「いいのっ、やりたいのっ」と山田さんが押し切って(?)高橋さんの「My Favorte Girl」、山田さんの「my favorite things」。おお、粋な流れ! 高橋さんの曲に山田さんが絡むと、ギタリストがふたりになるので普段の高橋さんのソロやバンドセットとはまた違うギターのフレーズが聴けて楽しい。そんでまた山田さんのギターがとてもアイディアに溢れているというか、おお、この曲にこんなロッキンなリフ入れてくるか! という新鮮な驚きがある。コードとリフが同時に鳴る気持ちよさもあって、いいもの聴けたなー。オーラスは「セラヴィとレリビー」、ビートルズのレリビーをなぞるメロディーに思わずにっこり。
「10時迄バータイムで開いているので、このあとも皆さん呑んでってくださいね。僕らも打ち上げで乾杯します」と山田さん、ここにも場所への敬意。いい夜。
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08月03日(日)
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