ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『2024 小林建樹ライブ Goodtimes & badtimes』
とはいうものの、「いやいやリハだから…本番でやるかはわからん……」と疑心暗鬼になる当方oasisリスナー。oasisは再結成されても、空港に着いても、ステージに立っても、終演する迄安心出来ない。oasis好きはいつでもキャンセルの不安に怯えている。そしてこの告知動画ではギターでしょ、ギターは前半でしょ、やらなかったんですよ。ええ? と思って。で、ああやっぱやらないか……としょんぼりしたりして。いやいやそれでもいい曲沢山聴けたから……なんて思ってました。

閑話休題。この告知動画を見た時点で「ひょっとしてベスト3といわず少数票もフォローしてくれてる……?」と思う。半分は何を書いたか忘れているので(…)全ての曲が採用されたかは判らないけれど、自分のリクエスト(憶えてる分)は全部やってくれたし感無量でございます。有難う有難う。

という訳でなかなか聴けない曲とともに、普段はピアノで演奏している曲がギターで演奏されたりと、貴重なものがいろいろ聴けました。ご本人も仰っていたけど「スパイダー」のギターver.はレアでしたね。自分がリクエストした2曲は両方ともピアノでの演奏だった。今度はギターver.でも聴きたいでーす☆(終わった先から無理をいう)。ブリッジから次の曲は何なのかを考えるのも毎回の楽しみなのですがが、今回は予想外のところに飛ばされることが多く「おおっ、このリズムから、このコードからこれに行くのか!」とスリリングな面白みも。スキャットもtやdのタンギング(ティリリリ、ディンディン etc.)、裏声との切り替えも気持ちよい響き。もともとの声はそのひとだけの楽器ではありますが、それをどう使うかというのは本人のセンスと技量にかかっているのだなあと聴き入る。小林建樹と菊地成孔は自分内二大スキャッター(そんな言葉あるのか)でーす☆

それにしても今回のギターパート、カッティングの気持ちよさよ。ジプシーキングスのようだった。やはり背骨にラテンがある。カラッとした陽気、カラッとした哀切。光が眩しければ影も色濃い。小林さんの演奏にはいつも情熱(としかいいようがない)が込められている。情熱といえばこの日の「スクリーム」素晴らしかったですね! うおおい! て心のなかで喝采を送りましたが。これの歌詞は本当に言葉が強くて、直截的な単語が使われている。その強い言葉があの声で発せられると、以前chinacafeさんが小林さんの歌声を評した「喉元をぐっと掴まれたかのような」感覚に陥る。良いときも悪いときも(Goodtimes & badtimesですね)どんなときも、“いつだって こうやって やってきた”んだなあ。これからもそうでいてー! でも無理はしないでー!

そういえば、「祈り」や「満月」は神戸時代につくった曲で自分でもいい曲だと思っているけれど、こっちに来てからつくった曲がいくつもリクエストされていてよかった、と話していたのが心に残った。「東京に来て何やってたんだって話になるから」というようなこと。東京に住み、東京で暮らす過程で生まれてきた曲たちを、つくり手も聴き手もだいじにしている。それがお互いわかったことがうれしい。あと自分の曲は「儚い」という印象を持たれているんだなあ、という話。このように、近年は演奏した楽曲の解説(アナライズ多め)とともに、それにまつわる悩みや思いを言語化してシェアすることが増えたようにも思います。「ノバラ」の歌詞を書いたときの心境や感覚、光景は「自分以外誰にもわからない」といってましたが、そのわからなさを伝えてくれるようになった。この話、先日アップされたラジオでも出てきましたね。

・小林建樹・ムーンシャインキャッチャー”R" 第31回 ”秋に聴きたい曲特集です”


ところでこの回、Art of Noiseの「Robinson Crusoe」をカヴァーしててビックリした! 当時ライナーなんて付いてない外盤(国内盤より安価なので貧乏学生には助かる)アルバムのなかの1曲として聴いていたやつですよ。あとある程度の年代は知っている、『ジェット・ストリーム』のエンディングテーマな! ドラマの主題歌だったって今回初めて知ったわ。小林さんは最近知ったとのこと。こうやって聴いている曲が重なる瞬間ってうれしいものですね。


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09月14日(土)
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