ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『愛と哀しみのボレロ』
名作を繰り返し観る意義というところでは、『ボヘミアン・ラプソディ』と最後の展開が似てるなあと思ったのは今観たからこそだったなあ。いろいろいろいろあったけどチャリティのショウで大団円! そのテレビ中継を世界各国で見守る家族! 生きてればなんとかなる! でも人は死ぬんです! ていう。当時の赤十字における世間の信頼感というか敬意にも感じ入りました。赤十字も国境なき医師団も効力を発揮出来ていない現実を今突きつけられてるからね…ジュネーブ条約どこ行ったって感じだもんね……。といえば90年代当時観た『映像の世紀』で、あっこれ『〜ボレロ』で観た! と思った「ナチと寝た女として丸刈りにされ市中引き回される人物」とも再会して再びどんよりした。
それにしてもドンの亡命シーンが格好良すぎた。あんな華麗に…なあ……。ヌレエフの伝記映画『ホワイト・クロウ』とイメージがダブるなあ、当時の東側の芸術家ってこういう風に亡命するのが常(というのもなんだが)だったのかなあなんて思ったのだが、正にヌレエフがモデルだったんですね。当方ヌレエフを知ったのが90年代だったもので、ドンが演じるバレエダンサーが彼だと気付いたのは今回の鑑賞後でした(恥)。順序がバラバラになっている。ちなみに『ホワイト・クロウ』の監督はレイフ・ファインズなのですが、彼には三世代の人物をひとりで演じた『太陽の雫』という主演作があります。20世紀の100年、ふたつの世界大戦を生き抜いたハンガリー系ユダヤ人一族の物語。こちらも今観ると新しい発見がありそう。
クラシック、ジャズ、ポップス、スタンダード。絶え間なく鳴り響く音楽にも、時代を厳しく美しく捉えた映像にも釘付け。場内はほぼ満席。年齢層は高く、しかしトイレに立つひとは少なく、スマホを開くひとなど皆無。最高の劇場鑑賞でした。終映後近くの席のひとが「あの指揮者の人、ともだちのお兄ちゃんにそっくりでもう気になって!」といっててクスリ。こういう見ず知らずの他人の感想を漏れ聞くのも楽しい。定期的に劇場で観たいな。
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・Kaoriさんとやりとりしてて、そうだー当時の映画って絶対演奏してないとか唄ってないのが丸わかりのもの多かったなあと懐かしくなったりもしました。エッフェル塔の上と下で演奏と歌は合わないだろうとか、ツッコミどころも多いんだけどドラマの力に押し切られるんですよね。こういう体験だいじ。エンドロールの赤十字ヘリの空撮とかもう笑顔で観た
・赤十字マークの意義と使用について┃日本赤十字社
紛争地域等でこの「赤十字マーク」を掲げている病院や救護員などには、絶対に攻撃を加えてはなりません。これは国際的な取り決め(ジュネーブ条約)によって厳格に定められています。
今読むと虚しいしつらい。戦争しないのがいちばんなのよ。平和を祈り、芸術を捧げる反戦映画でもありました
03月20日(水)
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