ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■Q『弱法師』
人間の業を徹底して謡いあげる、原サチコと西原鶴真による義太夫が素晴らしかった。徹底して残酷、徹底して滑稽。唸る西原の琵琶とノイズ、鈴を転がすような声で唄い、笑う原。世界はこんなにも美しく、そして醜い。『毛美子不毛話』ではダンスミュージックとカラオケ、『バッコスの信女 ─ ホルスタインの雌』では合唱隊、『妖精の問題 デラックス』ではバンド演奏ときて今回は薩摩琵琶とノイズ/エレクトロニックミュージック、そして“KAWAII”アニメ声とオペラティックな歌唱。Qの音楽にはいつもシビれる。
人間は「危険な領域を」「飼い慣らす」ことが出来る。飼い慣らせなければ身を滅ぼす。だからひとは演劇を共有する。『Madama Butterfly』の日本上演も待っています。
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・Q / 市原佐都子「弱法師」┃シアターコモンズ'24
・アーティスト・インタビュー:西原鶴真(鶴田流薩摩琵琶奏者)┃Performing Arts Network Japan
身体が筒状になり、正座して地に着いている身体と天空の世界がバーンと繋がり、身体は空っぽな状態で誰かに何かをやらされている感じになるのがベストです。
琵琶という楽器は、あのボディで何百年も生きて、いろんな人の手に渡り継がれて、お坊さんが使って霊を鎮めてきたような歴史を背負っている。
ここにも「身体という容器」。物語についての解釈と技術の関係についての話も興味深い。
西原鶴真さん、どこかで観てる筈…なんだったか……と調べてみたら、『武満徹トリビュート〜映画音楽を中心に〜』で「耳無し芳一の話」を田中泯さん、飴屋法水さんとやった方だった。タトゥーは「7年前ぐらい前から入れ始め」た(2020年時点)そうで、道理で同じ人物だと気付かなかったわけだ。
ぬいぐるみを改造した楽器やエフェクター満載の卓は、昨年のFRUEで観たAngel Bat Dawidの「自分の部屋」のよう。そこから繰り出されるのは琵琶の音と声だけでなく、電動シェーバーで頭を剃る音もリアルタイムで使用。そのためかちょっと髪が虎刈り気味でした
・それにしても、観た芝居直近の4本中3本に生首(概念)が出てきている。なんなの
03月09日(土)
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