ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
[647725hit]
■『PHANTOM/ユリョンと呼ばれたスパイ』、eastern youth『35周年記念巡業〜EMOの細道2023』
eastern youth『35周年記念巡業〜EMOの細道2023』35周年おめでとうございます、大久保の磯丸水産は今もありますー!!! イースタンユースが続いていることの嬉しさよ pic.twitter.com/zh9dphtVt5― kai ☁ (@flower_lens) December 2, 2023
いやもう…悲しみは川に捨てるんだよ! だってそうだろ? なあ、そうだろう? うわあああああ生きる!!!
移動して渋谷、eyちゃん35周年記念巡業千秋楽。記念興業なだけあり、代表曲つるべ打ちで息つく暇もない内容。最新作『2020』からの「今日も続いてゆく」からスタートすると、そっから「夏の日の午後」「砂塵の彼方へ」「踵鳴る」「青すぎる空」……以降タイトルを並べるだけでもその言葉の美しさと強さに悶絶しそうだが、現場ではこれが生身の演奏と歌になって豪速球で投げられてくる訳ですよ。油断したらデッドボールですよ、こちらも喰らいつくように聴き入りました。
曲間もあまり空けず、というかブリッジもジャムになっていて、吉野さんのストロークやコード、リフ、マイクを通さない(!)歌声に村岡さんが即対応していく流れがもう、触れれば切れるような緊張感。途中フロアから「吉野さんかっこいいー」と声がとんだとき、吉野さんが「うるせえ!」と返したんだけど、ホント寄らば斬るくらいの空気でした。中盤すぎくらい迄全っ然MCなくて、このまま喋らず終わるんじゃ…ってくらいバッチバチだった。何度も心の臓を拳で殴り唄う、吉野さんの鬼気迫る形相に見入る。
驚いたのは、吉野さんが「停めようかと思ったんだけど、周りの人が助けてくれてなんとかしてくれたから。有難う」といったとき。途中フロアで倒れた? ひとがいたらしい。聴き手をちゃんと見ているんだ。あの演奏と歌の最中に……? eyとそのリスナーは、決して馴れ合いにはならず、それでも必要があれば手を差し伸べる。理想的な関係だと思う。
それにしてもあのギターいつもどうなってんだと思う。エフェクター使ってるにしても(つっても足元結構スッキリめだよね?)1本に聴こえん。どう聴いてもリフ弾いてる後ろでコードが鳴ってるんだよなあ。いやあ…シビれる……。
ようやくMCになると、これがなかなか脱力で。いつものことではあるものの、そのギャップに慄く。しかし言葉の端々には、いつも怒りがある。デコボコ道の35年、たったひとりの友だち田森、桃太郎の村岡さん。いやもうちょっと詳しく書こう。「岡山と高円寺、二拠点生活をしてる」と村岡さんを紹介したとき、「いやあ、岡山っていうから、ひょっとしてと思って家系について訊いたんだ。そしたらやっぱ、あの、昔、島に行って、そこにいた奴らをやっつけたみたいで……」とかいいだす。そんで、「今バンドのギャラはまず村岡さんが預かって、俺らはきびだんごでもらってる」とかいって大ウケ。それで終わるかと思いきや、これ数曲挟んだ次のMCへの伏線だったのでした。題して『涙の磯村水産』。
ニノさんが「俺もう辞めるわ」といったとき、吉野さんはもう無理だ、あんな天才がまた見つかる訳がない、と思ったんだそうです。バンドはもう続けられない、辞めよう、とタモさんを大久保の磯丸水産に呼び出した。吉野さんはニノさんが辞める予感があったけど、タモさんは寝耳に水だった。「どういうことだよ」というタモさんに、吉野さんは「バンド辞めよう」といった。するとタモさんが「俺は辞めないぞ!」といった、という話(涙)。
ところでわざわざ大久保の磯丸に行ったっての、やっぱ沿線でいちばんファンがいそうにない地区だからってことなんでしょうか。いや、ふたりの居住地(公表してるから書いてもいいよね)からすれば、東中野でも高円寺でも西荻でもいいじゃん。高円寺の呑み屋でこんな話してたら、このご時世即噂が拡がりそうだもんね……。
[5]続きを読む
12月02日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る