ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『夏、唄う 小林建樹』Tateki Kobayashi Live 2022
ピアノパートの一曲目は「Brazil」、これにも驚かされる。ピアノの方が自由度が高いのだろう、演奏している最中にもリズムのバリエーションをどんどん増やし、そこに自身がハマって歌が追いつかなくなる、といった様子も見られた。こちらも固唾を呑んで聴き入る。何度も書いている気がするが、配信番組『下北沢音問屋珈琲店』(Ustream終了とともにアーカイヴも消えたが)で窪田晴男に「相当ブラジルに行って帰ってきたって感じだね」といわれ、「同じ曲をいろんな作曲家風にアレンジするのにハマっている」と話していた。それをリアルタイムで観ているようでもあった。自分の曲にはあらゆる可能性が潜んでいる。それを発掘する作業。

そういった意味でも、音源では窪田さんがアレンジしていた(最後に入っている笑い声も窪田さんなのよ☆)「花」が演奏されたこともうれしかった。『曖昧な引力』と『Rare』の間にリリースされたマキシシングルにしか収録されていない、レア曲でもある。これも何度も書いているが、今のこのモードの演奏に他のプレイヤーが加わるとどうなるのだろう……と言う興味もわく。今の小林さんと窪田さんのセッション、聴いてみたいな。自分のツイート発掘する迄忘れてたけど、あのときの配信で窪田さんは「この男の行く末を見守ってください」っていったんだわ。見守ってるわよ!

「今、シティポップが話題ですね」という話から(小林さんの口からThe Weekndの名前を聞くとは。今年1月にリリースしたアルバムの1曲「Out Of Time」で亜蘭知子の楽曲をサンプリングしていて、ちょっとした騒ぎになったのだ)「綺麗なメロディーとローファイなサウンドを組み合わせれば面白いものが出来るんじゃないか、とか考えてデビューしたんです」「でも時代の要請というのは変わっていくんですね」「と、こういうことを考えていられるのも平和だからですね」「そういうことを考え続けられるような世の中であってほしい」とポツリ、そして「祈り」。やはり春からのライヴは平和を祈って行われている。最後は「青空」。

このひとの手を離してはいけないな。次があることを信じて待とう。窪田さんの言葉を思い出す。「そんじゃまた、そのうち会おう。出来れば、絶対に」。再会を楽しみに待っている。

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setlist

Guitar:
01. SPooN(『Rare』)
02. 迷信(『曖昧な引力』)
03. 満月(『曖昧な引力』)
04. M&R&R(『Mystery』)
05. すべての唄に愛を捧ごう(『Nagareboshi Tracks』)
06. Twilight Zone(『Mystery』)
07. パレット(『曖昧な引力』)
08. 不思議な夜(『Rare』)
09. カナリヤ(『Nagareboshi Tracks』)
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Piano:
10. Brazil(『Window』)
11. イノセント(『Music Man』)
12. 夏の予感(『Music Man』)
13. 花(single『青空』)
14. ヘキサムーン(『Music Man』)
15. 祈り(『Rare』)
16. 青空(『Rare』)

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08月12日(金)
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