ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
[647776hit]

■『FESTIVAL FRUEZINHO 2022』
タイムテーブルには各アクトの開演時間が書かれていますが、「そろそろ終わりだなと気にして欲しくない」という主催者の狙いがあり、終演時間が明記されていません。郊外なので交通事情を配慮して、「全てのプログラムが終わるのは21:30くらい」とだけ発表されていました。転換時間はそれぞれ1時間弱。「今回おいしいお酒やお食事の提供はありませんが、転換時間を長く取っておりますので、近隣のお店でお楽しみください」というアナウンスがありました。

という訳で出かけましょ。まずはドリンク確保、近くのファミリーマートへ。みるみるうちにレジが大行列、向かいのローソンも同じような状況。フジ中の越後湯沢付近のセブンイレブンみたいになっている(笑)。仕入れは沢山していたのでしょうか……。

■Bruno Pernadas
ポルトガルから。予備知識が全くなく、Bruno Pernadasというバンド名だと思っていたら個人名でしたよ……。どのひとがブルーノさん? と思っていたが、MCでギターの人だと判る。G×2、B、Key、Drs、Tp/Flの6人編成。皆さん代わる代わるPerc等を挟んできて、気持ちの良いリズムが途切れない。
ジャズ、ファンクの味がしつつも70年代ディスコみたいなエキゾ感があり、ラテンなリズムはしっかり。Keyの女性がセンターでヴォーカルも。トーキングモジュレーターかましてたのかな、ボカロっぽいギターの音もかわいらしい。そして目が行くのはベース。ヒゲでロン毛で、右弾きなのに何故かストラップを右肩にかけている。それでいてポジションはパンクかグランジかというくらいめっさ低い。クリス・ノヴォセリックみたいな風貌です。見た目もバラバラ、音楽もジャンル分け出来ない、共通項といえばやはりダンス。気持ちよかった! あの祝祭感、Akron/Family好きだったひとにはたまらないのではないかなー。

転換中に蕎麦屋に行けるフェス #FRUEZINHO pic.twitter.com/e5PdVKJQRN― kai (@flower_lens) June 26, 2022
ここいらで遅めの昼ごはん。このあと続々と人が来て、「いっぺんにひとが来たので、ここからはご提供に時間がかかると思います!」とお店はてんやわんや。ごちそうさまでした。

■坂本慎太郎
Vo/G、B、Drs、Ts/Flの4人編成。坂本さん観るのって、新宿リキッドのソウルセットとゆらゆらの対バン以来じゃなかろうか……ソロはお初。単独のチケットはいつも争奪戦のようだから、フェスで観られてラッキーだったかも。ミドルテンポのナンバーが心地よく進む。歌に聴き入る。
ディスコの歌がすごくよかったなー。歌詞も沁みた。ディスコは君を差別しない、ディスコは君を侮辱しない。女が男の肩に触れて、男が男と腕を組んで、女と女がキスをして。ディスコって、いつでも一人になれるところ。なんてシビれる歌詞! 帰って調べてみたら、「ディスコって」という曲だった。「物語のように」も沁みた。うええ〜めちゃよかった〜。
隣のひともいっていたが、Tsの方が坂田明みに溢れたフリーキーな音を出す方でした。Percも担当して、サイレンやスマホで効果音出したりといい味付け。西内徹さんという方でした。

坂本さんのときがいちばん人が入っていました。日曜の夜だし、ごそっとひとが帰っちゃうかも……と慄きながら外出。家族づれが人工の滝で水遊びをしている。うおお入りてええ、タオル持ってくればよかったと悶えつつ気持ちのよい夜の散歩。サックスとベースの音が聴こえてくる。二階席後方の芝生に駆け寄ると、トリのふたりがリハ中でした。そうか、外からだとこう見えて、こう聴こえるのか。真夏の夜の夢みたいだ。

目の前遠くに見えるゲンデルとウィルクス、聴こえてくる音楽。背後には水の音とこどもたちの声。個人的にはこの場面が今日のハイライトだった。いいフェスには本編以外で忘れがたい場面があるものだ。

■Sam Gendel & Sam Wilkes
待ってました! トリはアメリカからこのふたり。As、Bのふたりきり、広いステージで座奏。トリがこのふたりで、お客もそんなには減らず、こんなに沢山の人と、こんな大きなホールで、こんな繊細な音楽に聴き入ることが出来るなんて。なんて幸せ。こどもたちも帰っていったか、眠ってしまったか。静かな静かな観客席。

[5]続きを読む

06月26日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る