ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■Q『バッコスの信女 ─ ホルスタインの雌』
そして演者ですよ……表現することにおいて、ひとりで立つことについてのパワーが全員すげえ。。あの長ーーーくグロテスクーーーなモノローグをするする聴かせてあっという間に観客の懐に入ってくる主婦、兵藤公美(青年団)の声と表情。そしてやべーと思ってももう逃げられない求心力。安全な客席にいる筈なのに身の危険を感じた。こええよ! あまりにもイヌで、もう、イヌで、ワン! ワン! ガルル〜、キャイン! というバックトラックとともにこれラップじゃねえの、最高じゃねえのってな伝令を語りきった永山由里恵(青年団)のテンション。やべー過呼吸になるんじゃねえのがんばれーと途中から握り拳でエキサイトしました。いやあ、それにしてもイヌだった。イヌって興奮するとああなるもんなー。ウレションとかしちゃうしなー。ハプバーの女子、中川絢音(水中めがね∞)の毒づきも嗜虐性を刺激する愛くるしさでした。12人編成のコロス(中川さんは兼任)も素晴らしかった。「モー、モー♪」(ホルスタインの雌の霊魂なのでな)「メイドバイジャパニーズナショナル精子〜♪」「私はアイロン台〜♪」……その合唱の美しさと言ったら。当日パンフレット通り出演者の所属も表記しましたが、こうやって眺めるとほんと、長年にわたる青年団の功績を感じる。

獣人、川村美紀子の貢献は筆舌に尽くし難い。あの声、あの身体。命の誕生と成長を舞い、赤ん坊、育児放棄された部屋の光景、セックスワーカーのスターとなり、仕事以上の労働を強いられた帰りに焼肉を食べる光景を語り唄う声が全て違う。同じ肉体から発せられたのかと思う程。衝撃的、圧倒的なそのふるまい。一挙一動目が離せなかった。素晴らしかった…ほれぼれ……。

今後も再演を重ねたいという言葉を信じて、また観られる機会を待ちたいと思う。

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・開幕当初は休憩込みで2時間50分の上演時間だったそうだが、途中から「換気機能が検証されたので」元々の休憩なし2時間30分になったとのこと。個人的には休憩なしでドップリ集中出来てよかった。一息ついてたまるかという感じ。しっかしこれ演じる方も相当疲れるだろうな

・ところでバターマッサージ、私も受けてみたい(笑)

・「え(ろ)ほん」のキラーワードっぷり素晴らしかった。他にも主婦からところどころ散見される無邪気な差別意識にしっかり注意がいくようになっている。これを「人類皆共犯者」に落とし込めるか、というのをこちらは考えていかなければならない

・楽曲が最高だったんで配信でもいいのでサントラ出してほしい! 戯曲にスコアは掲載されているとのこと。これから読む

・それにしても、あいトリで今作とサエボーグの『House of L』をキュレートした相馬千秋さんの慧眼よ。『House Of L』はこの秋に高知県立美術館での再演が決まっている。関東圏でもぜひ上演してほしい

・バッコスの信女たち@あいちトリエンナーレ┃Εὕρηκα!
めるさんによる初演時のレヴュー。エウリピデスの『バッカイ(バッコスの信女)』との対比も詳しく書かれており膝を打ちまくりました。「本当に、正統派ギリシャ悲劇でした。私の心にはカタルシスも到来しました。何だろう、当時のギリシャ人はこんなにすごい体験ができたの??しかも日当貰って??って気持ち」……頷きすぎて首がもげそう。『バッカイ』も読もう

・第64回岸田國士戯曲賞授賞式がKAATで開催(イベントレポート)┃ステージナタリー
先日行われた(コロナの影響で延期になっていた)授賞式で、市原さんのスピーチが素晴らしかったというツイート沢山見かけたのでレポート読めてよかった。
「受賞者しか選考委員になれない」って慣例があったのは知らなかった。なかなか女性が増えないわけだ。芥川賞とか、最多落選記録を持つ(そして結局受賞してない)島田雅彦が選考委員になってたりするけどな

09月26日(土)
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