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I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『君と河をのぼろう パール兄弟 2019』
しかし曲間のおしゃべりではずっと笑っていた。K1さんの一声でそれ迄詰めてきたアレンジがパーになったり(笑)、シンセサイザー黎明期だったので仕込みが大変だったり。貴重な話だわ。打ち込みは当時音色の種類が少なかったんで、「いとこ同士」のキックはかしぶちさんが手で打ったって話に笑った。「なんで手?」「やー、キックしか録らないのに足でやるのは……って」だって。
思い出話に花が咲き、でもその思い出のなかには故人もいて、笑い乍らもしんみりとし。窪田さんも今年還暦だからなあ。生年月日は1959年9月18日とスラスラ出てくる、やはり若い頃に好きになった御仁の基本情報は頭から消えないものですわ。ちなみに身長は177cmですよ。デビュー当時は窪田さんがいちばん歳下でしたが、ふと思い立って調べてみたら、矢代さんが1960年生まれだった。というわけで、パール兄弟も来年還暦バンドの仲間入りです。これって貴重なことだなあと今更実感したりして。ふりかえれば窪田晴男のギターを聴き続けてもう33年ですよ。ほらもう初めて聴いた年代とかも憶えてるあたり、病が重い。一生いちばん好きなギター弾きですわ。
岡田さんが古希を迎えたということでサエキさんがはりきってケーキや鏡割り用の樽を用意して皆でお祝い。「誕生日四月なんだけど」とボソッという岡田さんに皆大笑い、「いいんですよこういうのは皆が集まってるときにやってお祝いしないと!」というサエキさんに皆で拍手。岡田さんがふと話し出す、「還暦には未来が見えたけど、古希は未来が見えなかったの」。静まり返るフロア。「でもね、一年前くらいにサエキから声かけてもらって、リハやって。そしたらそれが未来になったね。(今回のタイトル)パールと河をのぼったんだ。バンドでやるのも久しぶりだったんだ」。ここでまた泣く。もう、なんて夜だ。
アンコールは全員でTHE BANDの「The Night They Drove Old Dixie Down」のカヴァー。南北戦争で失われたものを南部側から描いた歌。K1さんたちがアグネス・チャンの香港公演で演奏したときのエピソードを披露、「そのとき会場にいた黒人女性から『Go Home!』っていわれたんだ」。そういえばスズカツさんの『欲望という名の電車』でもTHE BANDの曲が使われていたなあ。音楽(作品)に罪はある? 当日配布されていたサエキさんによる訳詞は、繰り返される議論を思い出させたのでした。
05月16日(木)
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