ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■高橋徹也 × 上田禎 デュオ・ワンマン『con el maestro』
上田:それはあんまり真剣に聞いてない…から……(場内笑)
高橋:酒で乱れるのも見たことないし
上田:それは高橋が呑まないからセーブしてるんだよ。他ではねえ。それに鹿島の方が優しいでしょ。「お前さあ!」とか口調は厳しいけど
高橋:そうですねえ。 いい先輩に恵まれました

高橋:「対岸」と「星の終わりに」を好きな曲っていってもらえたんですけど
上田:その二曲は音楽に聴こえないんだよね、誤解を恐れずにいえば。映像、フィルム、風景……もはやそんな感じ
高橋:ああ、それはうれしいですね

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「喋るとなんかもう(演奏)いいかってなっちゃうね」「いやあ、普段はそんなに……ライヴの構成を考えてのことなんですよ。でも、喋りすぎたかな」なんてやりとりも。上田さんに話したいことが沢山あった様子の高橋さんでした。そうそう、この日は本当にいいお天気で、風知空知のテラスから見える空がとても気持ちよかったのでしょう、高橋さんが外を眺めて「夕闇が迫ってくる様子が綺麗でねえ」といったんです。そのとき上田さんが「贈る言葉」のフレーズをポロッと弾いたことは記しておきたい(笑)。『金八先生』のオープニングを思い出したんでしょうかね。

こうしたMC中だけでなく、楽曲の演奏中でも、隙あらばおおっとなるフレーズを次々とブッ込んでくる上田さん。もう息をするように演奏する方ですね。ギタリストの面は知らなかったのですが、これまたニヤリとするようなフレーズをグイグイ入れてくる。ここでチョーキング?! とか。それに笑って応える高橋さん。こうくる? じゃ、これはどう? とアイコンタクトで演奏がみるみる変容する。

『大統領夫人と棺』の楽曲を上田さんの演奏で聴けたこともうれしかった。音源と同じ構成の「ブラックバード」、あのピアノが聴こえてくるともう身動き出来ないくらい耳を澄ましますわ……一音も聴き逃したくない。上田さんの演奏も映像喚起力すごいありますよね、「音楽に聴こえない」ものを奏でることが出来るひとだ。鹿島さんのベースなしでは考えられないと思っていた表題曲のグルーヴには感嘆。そういえば初めて高橋さんのライヴを観たのは佐藤さんとのデュオで、このときの「大統領〜」はギターとカホンという編成だった。改めて高橋さんの書く楽曲の潜在能力に唸る。それをいったら「新しい世界」も、弾き語りからホーンセクション入りとあらゆるver. があるな。ミニマムからマキシマム迄。宇宙から犬と老人を見降ろす、まさに高橋徹也の世界。

一度はお蔵入りになった『REST OF THE WORLD - LOST SESSIONS 1999』に収録された「音楽」を共演出来て本当にうれしい、と話していました。「演奏してるとき泣きそうになってた、こんなの初めて。(オーディエンスを)泣かすのが仕事なのに、自分が泣いてどうする。いや、実際には泣いてませんよ!」と何度も念を押す高橋さんでした(笑)。でも上田さんも「俺も泣きそうになってたよ」と仰ってましたね。そういうとこも優しいね(微笑)。

アンコールはふたりが偏愛するデヴィッド・ボウイのカヴァー「Wild Is The Wind」よっ、ボウイ! マイク・ガーソン! と大向こうが飛びそう(屋号か)な大団円……と思いきや、朗読ver. の「バタフライ・ナイト」で再び夜の散歩に出たあと、高橋さんにも上田さんにも長い歴史を持つ最新作「スタイル」で幕を閉じました。終わってみれば三時間。デュオでこれだけ長丁場なのに、これ程名残惜しいライヴはなかったです。またの機会を気長に待っています。

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・音楽┃夕暮れ 坂道 島国 惑星地球
セットリストも

帰り寄り道したら鹿島さんのでっかい看板が(どの角度から撮っても反射してしまうのだった)、流石シモキタ。鹿島さんの話聞いたばっかだったからグッときたわー。上田さんといい良き先輩に巡り会えてよかったね pic.twitter.com/RK0RRc3PRP― kai (@flower_lens) March 24, 2019
ウロウロしてみるものです(笑)、わっとか声出ちゃった

03月24日(日)
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