ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■Tera Melos / LITE Japan Tour 2018
目の前だったニック(G)のセッティングからもう釘づけ、カスタマイズつーか手づくり感満載だ。配線本人しか出来ないんじゃないか……実際本人がやっていたが。カラフルなかわいらしいポーチから出てくる出てくる大量のケーブル。従来のエフェクターをセットした駅弁箱くらいのボードを右に、ペダルじゃなくて2×3×2cmくらいのスイッチ(ライト仕込んであって全部光る)を8つくらい並べたボードを左に。スイッチとアンプの間にRoland SP-404かませてた、他にも2〜3個なんか介してた。それらのちいさなスイッチをフレーズごと、いや、もはや一小節ごとといってもいいくらいの頻度で踏み替えて、繋いだ一台のギターからやたらめったらな音をビュンビュンとばしてくる。そのギター本体はというと左利き用のもので、それに右利き用に弦を張って右で弾いている。なんだそれ、わけわからん。こいつぁすげえギークっぷり。ちなみにニック、結構な大柄でギターがおもちゃみたいにちっちゃく見えました(あとで調べたらこのギター、Super-Sonicというもので従来のギターより確かにちょっと小さめではあるらしい)。足も大きいわけで、ちょっと位置ズレたらあんなちいさなスイッチ2〜3個いっしょに踏んじゃいそうなとこ、身軽にピョコピョコ踏んでたなあ。
そんなこんなでエフェクターを踊るように踏み踏み、左手は素早いパッセージ、右手は細やかなリフを刻み続け、なおかつ近年は歌ありの曲も多い。弾いてないときもエアギターかエアテルミンか、手から念出して音よ出ろってな挙動がもうおかしい。顔は真顔。とにかくやることが多すぎてオーディエンスにかまってる暇などない様子なんだけど、スイッチングや演奏がバシッとキマったときにパァア…と花が咲いたように笑顔になるのでそれを観たフロアが総じてニコニコになるよい光景。
ネイサン(B)の機材も相当あったようだけど見えなかった。ジョン(Drs)の機材はコンパクトで、細身の彼はテクニカルなリズムを軽やかに、しかしブラストとなるとグラインドコアもかくやの速射砲、そして正確。とにかくふたりともニックとの阿吽の呼吸がすごい。カウントもアイコンタクトもなしでなんでこうも息が合うのか。それでいて全員が思い思いに演奏しているように見える。バンドアンサンブルもここ迄くるともう笑える。そう、バカかっこいい!
演奏では集中している分、終盤のMCでニックはべらべらしゃべる、マイク通さないでしゃべる、日本語と英語で日本愛とLITE愛とNENGU愛とマリオブラザーズ愛を語り、挙動はずっとおかしい。ジュン! コーゾー! とフロアで観ていた井澤さんと楠本さんに呼びかけ、愛溢れる言葉を連発。そしてアンコールでビシィ! とフロアを指差し、「Two more, for you!」といったのにはシビれた。ギークっぷりとのギャップがすごい。ちなみに彼、セッティングしているときは寒かったのかニット帽とフーディー着用だったのですが、それをステージ上で脱いでアンプの後ろにいそいそ置いて、PAにサムズアップで「OK!」と合図を出しておもむろに演奏をはじめたところにもニッコリした。演奏後はニット帽だけきっちり被ってフーディーは置いていって、物販エリアでファンたちに囲まれておりました。これもよい光景。
ポストロックの範疇は広いもので、そのなかでもインスト、マスロックの可能性はいくらでもあるなあと思わされる。アイディアとスキル、そしてDIY。バイタリティに満ちたバンドを一夜でこれだけ観られて幸せです。Tera Melosはこれから結構細かくツアーまわっていくので、あなたの住む街に来たら是非。
そういえばTera Melos、LITEのアンプ(構造さんと武田さんの。井澤さんのもだったか?)そのまま使ってたけどツアー後半はどうするんだろ。
01月24日(水)
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