ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『Let's Play Two』
バンドの楽曲は、カブスを応援するひとたちに寄り添うように鳴り響く。幕開けは「I need the light / I'll find my way from wrong, what's real? / The dream I see」(Low Light)、そして「She dreams in color, she dreams in red / Can't find a better man」(Better Man)。2016年のカブス快進撃、今年こそはと高まる期待、しかし今迄が今迄なのでぬぐいきれない不安、「Never dreamed You'd return」(Elderly Woman Behind the Counter in a Small Town)。WSで3敗していよいよあとがないという局面、しかし「Don't go on me」(Go)、「I'm still alive」(Alive)。単純に歌詞を書き出しただけでもこうだ。「Elderly Woman〜」の登場人物は、かなった夢を前に感極まる。カブスファンとPJファンの心情を反映したかのような歌が流れる。それはバンドが駆け出しだった26年前につくられた曲であっても、最新作からのものであっても、108年前からカブスの勝利を待ち続けたひとたちのサウンドトラックのように響く。

構成がまた巧いのです。当日演奏された曲順と映画に登場する曲順は違う。シーンにぴったりの歌をここぞというタイミングで織り込んでくる監督の手腕に唸る。映像もそう。WSの7戦目(最終戦)、試合展開とエディ、シカゴのひとびとの映像が交互に流れる。しかし彼らの言葉や行動は7戦目のときのものとは限らない。7回ストレッチ(Seventh inning stretch:MLBのゲームでは7回表終了時、「Take Me Out To The Ballgame(私を野球に連れてって)」をBGMに観戦でかたまった身体をのばすブレイクがある)でエディが「Take Me〜」を唄ったのは第5戦。セットリストを書いているのは勿論8月のライヴ当日。リアルタイム観戦の映像と、カブス勝利への軌跡がパズルのように組み込まれ、試合の流れと交差する。優勝に湧くシカゴの街、思い出される名実況、そしてタイトルにもなっている「Let's Play Two」はチームOBの言葉。108年ともなれば、優勝を待ち望んだままこの世を去ったひとも多いだろう。そんなひとたちの思いともども、あの7戦目に届け! となるあの流れ、本当に素晴らしかった。

熱心なPJファンのひとり、ジョンは「人生のどんな局面にも合う曲がある」と話す。その後ジョンにはとあることが起こる。そして、ゲストのデニス・ロッドマンに抱き上げられたエディに、クリス・コーネルの姿がフラッシュバックする。小柄で身軽なエディは、よくクリスに抱きついていた(例。抱きついてるというかぶらさがってるというか……笑)。昨年カブスが優勝したとき、クリスは生きていた。一年後、彼がいないなんて想像出来なかった。PJとともに人生を歩む。喜びと悲しみのくりかえし、傍らにはいつもPJがいる。PJに限らず、どんなひとにもそんな存在があるのだ、きっと。願わくば、少しでもその時間が長く続くことを。

Blu-rayは本日発売(書いているのは12/8)。でも立川シネマシティの極音上映とかあったら万難を排して駆けつけますよ! 期待してますよ! 公開有難うございました!

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その他。

・「今日(ライヴの日)はエディにとって大切な日だから」っていうマイクにもジーンときたんだけど、思えばPJてエディ以外はシアトル由来なんでマリナーズファンも多かろうに…皆やさしい……と思った

・PJファンじゃないひとが観ても伝わるように歌詞に字幕ついてもよかったねとも思ったけど、そうなると情報多すぎて視線が散漫になっちゃうだろうから難しいところですね

・エディといえば昔から詩やアートを描くノートをだいじに抱えてるイメージなんだけど、今回スコアブックを抱えてせっせと書き込んでる姿ににっこり

・それにしてもエディの身体能力の高さよ…あのジャンプといいブリッジといい。 体幹が強いよねーと水曜映画館で偶然遭ったMIOさんと話していた

・そういえば水曜日、エディがよく持ち歩いてたものにそっくりなトランクと、ポップコーンとドリンクを抱えた白髪の男性がいて、終映後清掃に入ってきたスタッフやカップを片付けているスタッフに「ありがとう」「ありがとうございました」と丁寧に挨拶しててジーンとした

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・パール・ジャム「レッツ・プレイ・トゥー」予告編


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12月02日(土)
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