ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『SONICMANIA 2017』その2
四月のときからアレンジもかわってきていて、柔軟性がより加わりインプロ部分も増えている。「E8 Boogie」あたりからやべーやべーよとなってきて、終盤の「Delta-V」と「Anstromm Feck 4」ではもうなんじゃこのインプロ合戦という様相で歓声がわくわ爆笑が起こるわでフロアもカオス状態です。最初は人力再現すごーいとかニコニコ聴いてんだけど、だんだんそれどころじゃなくなってくる。もはや再現ではない。人間(いや地球外生命体だけど)VSマシンの闘いというか、人間(ちきゅうが以下略)がどこ迄マシンに近づけるか、あるいはマシンにどこ迄魂(、という言葉を使うなら)が込められるかの実験だ。

BPMが一定じゃないところにもろグルーヴが宿る。ドラマーが装着しているイヤフォンはモニター用で、クリック聴いてないと思うんだ……というか、あれだけ一曲のなかで減速/加速が激しく、その緩急をも聴かせる楽曲でクリック聴くのも意味がなかろう。そして地球外生命体とはいえ演奏者の指は計10本だから、リフにムラというか若干の強弱やズレが生じるのだがそこ! そこだよ! そこにグルーヴが生まれる! 「Tetra-Sync」のギターリフはたいへんそうですね(あれスクエアプッシャーのソロんときはベースで弾いてるよね)。Keyが片手の運指だけでは無理のある長いフレーズを左右1〜2本の指を交互に使って高速に弾きたおした場面では、あーそうやればいいんだ! とフロアがドッと湧く。それにしても、あんなにどよめきと笑い声が入りまじるフロアもなかなかない……。楽曲の多彩なポテンシャルが、プレイヤーのスキルによりこうも姿を現すものか。

ソニマニの優勝はShobaleader One
どう考えたってShobaleader One pic.twitter.com/fFqV17cTdH― もりお (@mow_mori) 2017年8月18日

張りたい動画いっくらでもあるんだけど厳選してひとつだけ(あげてくれたひと感謝!)、これがいちばんインプロから戻ってくる展開がわかりやすいかなと。

そうそうインプロといえば、「Tetra-Sync」のアウトロにベースで挟みこまれたのは、春から何度も聴いていたあのフレーズだった。2015年、「Iambic 9 Poetry」のイントロで演奏されていた第一楽章。曲名がわからない(あるのだろうか?)ので勝手に名前つけて申し訳ない……泣いてもうたよ。

(20171023追記:動画ひとつだけっつってたけどこれ追加しとこう…その都度探すのめんどくさいという自分用)
最初切れてるけどアウトロは全部入ってるー。このアウトロ、2011年からやってるフレーズだけどタイトルとかないのか気になってる Tetra-Sync - Shobaleader One (Live in Japan) https://t.co/ojriFRAAqg— kai (@flower_lens) 2017年9月5日


火事場のなんとやらかフロアの熱を受けてか、プレイヤーの挙動もどんどん激しくなってくる。フロアを煽ったりガッツポーズしたり。に、にんげんくさい。まあそこはね、まずトムがそういうひとですからね。地球外生命体も人間のいいとこをとりいれていくといい(笑)。「Journey to Reedham」のときのお面の光がとってもかわいかった。彼らの気持ちを表しているかのようにキラキラしていた。カラフルでハッピー。「僕のたった一つ望むのは、僕の音楽が誰かのどんよりした一日をカラフルにすること、悲しい一日を愉快にすること。それだけなんだ」という言葉を思い出す。あれから十三年、彼は今どう思っているのだろう。

トムがときどきスタッフ呼んでたり、曲ごとにタオルで腕拭いてたり、機材をのぞきこんで調整し乍ら弾いていたりしてハラハラはしたものの終わってみれば機材トラブルもなんのその。皆さんやりきった! という充実感かホッとしたか、何度もおじぎをしたり手をふったりして帰っていかれました。ナザードさん万歳してた。やー、なんかお面ついてるのにメンバー皆笑っていたように見えたよ。心眼だいじ。そしてトムの投げキッス(したらしい)を見逃した。ガーン。

スクエアプッシャーにとってはプロジェクトのひとつ、という感じだろうしソロの方でもいろいろやりたいことは多いだろうけど、万全の状態でもう一度単独公演を観たいものです。しっかしこの日のライヴは素晴らしかった、最高だった。やりきってくれて有難う!

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08月19日(土)
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