ID:43818
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by kai
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■木ノ下歌舞伎『東海道四谷怪談 通し上演』
木ノ下:今回邦生さんが書いた上演台本を読んで感心したのはお梅の「じじいぜってえばちあたんぞ!」。ウケてたけど、実際それくらい強い語調なんです、当時の言葉でも。あれはどれだけのことをお梅がいったかというのがよく伝わると思う
・時代とともに消えていく慣習など
木ノ下:たとえばなぜあんなに顔が醜いことを忌み嫌うか。当時は顔が醜い=心が醜い→邪心が顔に顕れるという考え方があったから。こんな顔の=心が汚れた女は離縁されて当然、ということになる。こういう、今そのままやると「?」な部分をいかに残して後世に伝えていくかは考え乍ら上演台本を起こしている
・「夢の場」の重要性
杉原:とてもだいじな場、なぜ上演されない! してもただ踊って終わりとかわけのわからない演出になってたりする。ホンを読めばどれだけ重要なことが書いてあるかわかるのに、踊るだけとか……そういうのはちゃんとホンを読んでないんですよ(以下思いがあふれたのか延々続く。確かにここがちゃんと上演されることで、伊右衛門とお岩の関係性についての印象ががらりと変わります)
木ノ下:お岩が「民家の生まれ」と話すところはとても重要。武家の娘ではなくなったことで、お岩と伊右衛門が向き合える。ちゃんと原作に書いてあることなんです
・ジェットとヘリのSEを入れる意図
杉原:俯瞰を表現している。ヘリの音に関してはどろ太鼓が入る箇所と同じにしてある
木ノ下:京都で上演したときはマスコミの方がたくさんいらしたんだけど、「ヘリの音は戦争のメタファーでしょう」と随分いわれた。そのつもりはなかったけど、これから討ち入りだという高揚感みたいなものとして感じられるのかも
・今後やってみたい演目
杉原:『浮世風呂』やってみたい、大駱駝艦で
木ノ下:なめくじが風呂場で踊りまくる舞踊演目です。大駱駝艦のメンバーがうねうねおどって、麿さんが上からうらあ〜って塩をまく。想像つきますよね〜(ウケたウケた)
木ノ下:実は『仮名手本忠臣蔵』と『東海道四谷怪談』の通しをやってみたい。記録を見たら鶴屋南北の時代でも一度きりなんです、だから一度やれば南北とタイ(笑)。通しは規模が大きいので自分たちの力だけでは出来ない、気長に待っていただければ。演出も手分けすることになるかな、邦生さんには九段目をやってもらおうと思ってる
杉原:ええっ、僕四段目がやりたい
・物販のおしらせ
木ノ下:パーカーってご存知ですか? あのーパーカーって僕、どういうときに着るかよくわかってなかったんですけどあれですね、あれは現代のはんてんですね(木ノ下さんの年齢ときどきわからなくなるわ……)
05月28日(日)
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