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I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■LITE『PAST 7DAYS』
そして、難しいけどアメリカは面白い。「5時間かけて来たよ!」「この街に来てくれるなんて!」と興奮気味のファン、ライヴ後「iTunesに曲はあるかい?」と訊いてくるひと。マイクのことを知ってかしらずか「ミニットメンみたいだね」という感想を話すひとがいれば、「今朝新聞で見て知ったんだ、僕は寿司職人だよ」といった日本文化への興味からやってくるひともいる。音響がドリームシアターを手掛けたPAスタッフだったと帰りのバンのなかで聞かされ「ええっ?!」「マジで?」「タムがすっごい鳴ってて(マイク・)ポートノイっぽい(笑)」なんてメンバーが盛り上がる楽しい夜も。「散々な演奏だった」日でも観客の反応がよく「内容はよかったね」。ライヴはプレイヤーだけがつくりあげるものではないのだとつくづく思う。
2017年の今観て感じ入ったところは「移民の国だからアジア人がいたからってそんなに珍しくない。特別かまわれないのでこちらも自然でいられる」というような言葉。これからのアメリカもそうだろうか、そうであってほしい、と思う。
ライブの様子、移動風景(一瞬映る原子力発電所が印象的)、オーディエンスのコメントで構成。ライヴ映像は楽器にとりつけた小型カメラからのショットもあり、観ていて飽きない。演奏に熱が入ってネックで「自分の頭なぐっちって」ひっくりかえる井澤さんの映像とか、臨場感あるー(笑)。ライヴ後のオーディエンスはテンションが高く、こちらが戸惑うくらいの賞賛が並ぶ。これもアメリカならではかもね。ストレートな賛辞はこそばゆいほどですが嬉しいものです。
motkの『irreversible』もそうだが、こういう過酷な海外ツアーものにどうしても惹かれてしまう。どんなにキツくても、現地で待ちに待ってたオーディエンスの反応、ライヴ後の交流、ああいうのがあるとね。とりつかれてしまう気持ちもわかる気がする。というか、その「とりつかれる気持ち」に少しでも近づきたくて、こういう作品を観るのかもしれない。ボソッと書くと、終盤ふいにブンブンのことを思い出してしまった。彼らもしんどいアメリカツアーをしてた。ストレスからの胃痛と歯痛に悩まされ、市販薬はアメリカ人仕様でキツくてますますへろへろ、とかそういうの。もうあのバンドはツアー出来ない。中野くんはライヴが大好きだから、また演奏してまわる機会があればいいとは思うけど、次それがあってもブンブンではない。正直まだ実感がわかない、そろそろツアーがはじまるのではないかなんて思ってしまう。そういえばLITEの近年のサウンドエンジニア、三浦カオルさんなんですわ。なんだかんだで繋がってるな。
それにしてもLITEの面々、結成から名が出る迄が早かったからなのか、シーンの立ち位置から受ける印象よりずっと若くてびっくりした。motkもだけどそれこそ54-71とかtoeとかと同世代だと思ってたよ……。たのもしいわ〜(としよりの発言)。
はー昔話も沢山しちゃったな(としよりの仕様)。motkとの北米ツアーももうすぐ再開。気をつけて、無事に帰ってきてください。そしてケアを頼むぜTopshelf Records!
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・LITE US TOUR 2015 Documentary "Past 7days" Trailer
そして今月のものですが、丁度海外ツアーについての興味深い記事ふたつ。「アメリカだけ違う」って話もしてますね。助成金をうまく使う知恵も紹介されています。
・【インタビュー】LITE「海外からどう見られるかは行かないとわからない」DIYスタイルが導き出す世界の現在地|BARKS
「motkは初めてのアメリカでも関わらず、みんなネットで知ってて最初からお客さんがいる。一方で俺らは何回も行ってて、それこそさっきの白髪のお客さんとか、行かないと得られなかったお客さんももちろんいて、それも面白い」
・インタビュー:LITE 国産インストバンドの雄に、世界中がアイラブユー|TimeOut TOKYO
「フィジカルの負担が半端ない」(DVDの特典映像でも言ってたけど過去には「ヘルツアー」もあったそう)けど、「若いときに思い切って海外に出ておいて、良かったなと」
02月11日(土)
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