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I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■1988、1992〜1994年の蜷川幸雄
トゥーゼンバフを演じる大石さん、ピアノ演奏も披露し「コーヒーを淹れて待っててほしい」という台詞も素敵でたいへん。袖でスタンバってるところも観られて格好いい素敵とうわ言のように言う。開場と同時に始まる、現実と地続きの演出の醍醐味を知る。高い天井、大きな窓、そこへ差し込む光。上へと向かう空間を美として示す手法、演出家の美的感覚を知る。
戸川純さんが追悼文でこのときのことを書かれている。素晴らしいテキスト。
・追悼・蜷川幸雄(後編)| ele-king

■1993

0120、0124、0130『1993・待つ』@ベニサン・ピット
入場料から200円を返すという開幕パフォーマンスにしてやられる。宇野イサムの書き下ろし短編の他、戯曲や小説等、さまざまなテキストから芝居を作り上げる。『メロンを買いに』を観られるなんて!「お広いですから〜」を岡田正の声で聴けるなんて!『ねじまき鳥クロニクル』で大川浩樹がモノローグとともに作った牛肉とピーマンの炒めもの、音も匂いも思い出せる。敷きつめられ、あるいは降り注ぐ白い砂の美しさ。






『メロンを買いに』について、松田かほりさんがブログに書かれている。今でも忘れられない、とても好きな作品だった。
・『手書きの台本』| kahorimのブログ

0304、0310、0314『春』@東京芸術劇場 小ホール1
『待つ』シリーズでも印象的だった宇野イサム作品を全集のようにして観る楽しさ。日常に潜む不思議な現象、生活に根差した心の機微。魅力的な作家。今はどうしてらっしゃるだろう。ニナカンだけでなく、オーディションで選ばれた多彩な出演者も魅力だった。今キャスト表見るとひいーとなります。桜の花びらの量にも驚いた記憶。







0523『魔女の宅急便』@青山劇場
チケットとってたのに行けなかった。

0812『I-KA-ZU-CHI 蜷川紅三太鼓』@スペース・ゼロ
蜷川さんは監修。宇崎竜童らが手掛けた楽曲を和太鼓で披露。ニナカンのメンバーが総出、さまざまな扮装で観客も巻き込み祝祭空間を創出。大石さんのダリひげ、松田さんのスリットドレスと、個人のアイディアが盛り込まれたと思われる衣裳やメイクも眼福。







0916『テンペスト』@リリアホール
大川浩樹のキャリバンがキュート、お茶目、とても愛すべき造形。キャリバンはかつて松重豊がやった役で、鯉のぼりを応用した衣装も松重さん本人のアイディアだと蜷川さんが言っていた。こうやって継承されていくのだなと思う。
蜷川さんの出身地である川口市のホールで観られたことも嬉しかった。リリアホールの舞台後ろの扉がラストで開く。蜷川さんが暮らした街が見える。夜だったので、舞台上で燃える篝火の向こうにマンションの灯が重なる。ふたつの世界が繋がったような美しさ。昼はマンション内の住人迄見えたそうだ。

1031『王女メディア』@新宿文化センター 大ホール
ウィーンとクレーンで去るメディアに衝撃を受ける。舞台写真で観てはいたものの、実際目にするとひゃーっとなる。客で来ていた大石さん大川さんがヒューヒューブラボーと騒いでいたとのこと(笑)、こういうところ、カンパニーだなと思う。

1218『血の婚礼』@銀座セゾン劇場
蜷川さんの美意識に身体が震える程感じ入ったのはこれが最初だった記憶。坂本龍一の「Parolibre」が井上正弘の音響により劇空間を満たし、暗転から浮かび上がる街の風景が後を追う。そして降り続く雨。死ぬ前の走馬灯に加えたい光景。今でもそう思っている。トランシーバー少年を演じた寺島しのぶ、白い衣装と白い肌、そして雨のなかでも通る声。今でも強く印象に残っている。

■1994

0423『ペール・ギュント』@銀座セゾン劇場
プロセニアムの最上部に“Trinitron”のロゴ。ゲームセンターに並ぶモニターのなかの世界でおこる冒険の物語が、観ている側の日常を侵食していく。振付にマシュー・ボーン、蜷川さん慧眼。

0610『夏の夜の夢』@ベニサン・ピット

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06月16日(木)
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