ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『リチャード二世』『夜、さよなら』『夜が明けないまま、朝』『Kと真夜中のほとりで』
企画展。マチソワ間の一時間のうちに鑑賞。藤田貴大たちが集めてきた「蜷川さんにまつわる断片」で構成された空間。おそらく舞台上でも使われるであろう、机や楽器といった小道具類と、蜷川さんの原風景であろう川口、高架下、そして学生時代の散歩コースを辿った映像。タッチパネルで時代毎の景色も観られるようになっていた。
興味深かったのは蜷川さんのご親戚(か、ご近所に住んでいて幼少の蜷川さんを知っている方)のインタヴュー映像。蜷川さんと、彼より10歳年長の彼女が語る戦争の印象が違うことに藤田さんが言及していた。終戦のとき10歳だったか20歳だったか、この差は大きいと。そして藤田さんと蜷川さんの年齢差は50歳。その差について。
・蜷川氏の舞台延期で道具公開 - NHK 首都圏 NEWS WEB
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さいたまゴールド・シアター/さいたまネクスト・シアター/マームとジプシー舞台写真展@彩の国さいたま芸術劇場 1階ガレリア
舞台写真展。何度見ても『真田風雲録』『ハムレット』の舞台写真が大好き。この絵心、たまらない。マームの舞台写真は初めて見るものが多かった。ガレリアは好きな空間。晴れでも雨でも落ち着く光が入る。何度も往復する。
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マームとジプシー『夜、さよなら』『夜が明けないまま、朝』『Kと真夜中のほとりで』@彩の国さいたま芸術劇場 小ホール
藤田さんが20歳、23歳、26歳のときに発表した三本の作品を再構成したものとのこと。全て初見だったので、作品中の「不在の人物」は最初から同一人物だったのか判らない。ひとりの作家が書き続ける、共通したモチーフかもしれない。しかし時系列が謎解きのようにも感じる構成になっていて、ストーリーの流れと、そこに生きる登場人物たちの心の動き、変化し続ける環境と生活のなかで日々くらすことについて、感じ入る場面が多かった。そして望郷。
リフレインは日々繰り返される生活にも共通し、しかしそこで疲弊していく身体は心に繋がる。決して同じことは起こらない。そして同じものにはならない。その変化を見逃さず捕まえることが出来るか、その瞬間に行動を起こすことが出来るか。立ち止まらずをえない人物の周囲に集まってくるひとたちの不器用な暖かさと、必要な冷たさ。不在のひとを待つ夜の向こうに、朝はある。失ったものは戻らないが、それでも朝は来る。残酷でもあるが、ときにそれは安らぎになる。『Kと真夜中のほとりで』にはそれが凝縮されているように感じた。三本の最後にこれを観ることが出来てよかった。暗い照明は夜道を寂しく照らす街灯のようで、suzukitakayukiの衣装に身を包み、走り、跳び、転がる役者たちの姿が目に焼きつく。瞼を閉じてもそのシルエットが残る感覚。
たまたまですがアフタートーク付きの回でした。藤田さんに橋本倫史さんが質問していくかたち。役者の身体を酷使することについて、追い込んだ先に見えて来るものがあると思っている訳ではない、という話が興味深かった。それでも実質体力はいるので、稽古を熱心にやったり男優にプロテイン与えたりしてたら皆ムキムキになってきて……て話が面白かった。身体が大きくなっちゃったので反対側にいる女優さんたちが見えない! とか(笑)。
(20160224追記:観たあと読めてよかったインタヴュー→マームとジプシー『夜、さよなら』『夜が明けないまま、朝』『Kと真夜中のほとりで』藤田貴大インタビュー | 演劇最強論-ing)
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『蜷の綿』の続報を待っている。蜷川さんの帰還を待っている。
02月20日(土)
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