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I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『FUJI ROCK FESTIVAL '15』1日目 その2
「Monkey Wrench」「Learn to Fly」とたたみかけられ阿鼻叫喚。てかその脚で「Learn to Fly」を唄うか! ドラマティック過ぎるだろう!! 笑ったり泣いたり忙しいわ!!! この辺りでようやっと全体を把握、メンバー5人にサポート(key)のラミ・ジャフィを加えた6人編成ですね。椅子が可動式なのは花道へ進んで盛り上げるって演出もあるけど、演奏のタイミングを合わせるためクリスへ近付くことにも役立っているようでした。しかしこのロボ感…帰宅後twitter見てたら「タイムショックを彷彿とさせる」と書いてるひとが結構いて笑った笑った。
「信じられるか? 七年振りだーーー!!!」デイヴが叫び、唄い、そして喋る。そらもうよく喋る。いつものことだが、意識的にゆっくりわかりやすく喋ってくれてると思う。ひととのコミュニケーションをとてもだいじにしてる、その分ひとに、その何倍も自分に厳しいのだと思う。この日も客を甘やかさない(笑)アゲっぷりが素晴らしい、「FUJI!」「Are You Ready?」と叫び乍ら腕を伸ばす。デイヴ先生こんだけがんばってはるんだからわたしらが盛り上げな! と言う気になります、やっぱ理想の上司…「The Pretender」(スクリーンにあのMVも流れてもー格好いいのなんの)では「I Wanna Dance!」と立ち上がってしまう。「クララが立ったーーー!!!」ばりに盛り上がる観客、もうホント笑ったり泣いたり忙しい。
そして骨折、手術、椅子が作られる迄の弾き語り漫談が始まります。いやマジで漫談の趣よ…こんな感じで映像解説付き。落ちた瞬間の映像とか三回もリピートすんの。その直後に心配そうなネイトの表情を映すんだけど、この流れなので「何やってんだアイツ」と思ってるように見えるって言う……これちゃんと構成練ってるな〜、もう尊敬する。レントゲン写真や手術後鼻に酸素チューブが入った状態でニッコリ笑うデイヴの写真には流石に胸を衝かれる思いでしたが、直後「入院中玉座のアイディアを思いついて描いたんだ〜」と言うラフスケッチが映し出され爆笑。これ、これがよくこうなったな……! と言うくらいの絵でしたよ。照明スタッフさんとここに照明付けられる? とか相談し乍ら仕上げていったそうです。デイヴが感謝を述べる。ツアーをキャンセルしたくなかった、続けられるのはクルーのおかげ。そしてそのクルーへのラヴソング、と「Big Me」。バックステージで仕事をしているスタッフたちがスクリーンに映し出される。
クリス、パットと三人で演奏したアコースティックの「My Hero」は美しかった。シンガロングになっているけど静寂を感じる涼やかさ。続いて「Times Like These」の前に「フジは世界一静かなフェスだよね」だって(苦笑)。でもなんて言うのかなあ、そこを「日本人は静かでつまんね」ってんじゃなくて「騒ぐばかりじゃなくてちゃんと演奏を聴いてくれる」と言うふうに捉えてくれているようで嬉しい。「日本でしか出来ないことをやるぜ、ちいさーな声で唄うよ、合唱は禁止! クリスのギターも最小限の音量でね」。合唱になったら「静かにー!」と怒られた(笑)。くすくす笑い乍ら聴き入る。デイヴのスウィート、メロウな側面が感じられる二曲だった。ちょうポジティヴで、逆境を笑いに転じようとする。それでも迷う、悩む、揺れる。楽曲としてぽろりと零れるその思い、その正直さに感銘を受ける。
骨折直後ライヴを続行すると決めたとき、「怯んでいたのは(応急処置をしたヨハンではなく)自分だったのかも知れない」と、声明文に書いたデイヴ。彼がひたすらスクリームするのは、自分を奮い立たせるためなのかも知れない。でも、その姿にこちらも勇気付けられるのだ。そんな彼こそがマイ・ヒーローだと思うひとは多い。
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07月25日(土)
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