ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■『ザ・タウン』
随所に挿入されるタウンの街並―あの空撮を大画面で観られてよかった。団地がぎゅうぎゅうに、狭い路地に建てられている。どうしてあんなにカーチェイスがつんのめるかが解る。これはTVの画面だと実感しづらい。タウンに暮らすどんなひとびとにも、夜がきて、朝がくる。これも優しい視線。いぬの吠える声が左後方から聴こえてきてうわっとなったり(ヘッドフォンではいぬの声にすら気付いてなかった。結構大きな音で何度も聴いてたのに!)、映画館の環境で鑑賞しないと気付かないことってあるもんですね。そしてこの作品、サントラが素晴らしくいいんですよ!すっかり愛聴盤なのですが、それを映画館の環境で聴けたことも嬉しかったです。あとこれは『アルゴ』でも思ったけど、見知らぬ他人と一緒にハラハラしたり笑ったりほろりとしたり出来ることな…見終わったら席を立ち、それぞれの家に帰っていく。そんなちょっとあったかい気持ちと寂しい気持ちを、アフレック監督作品は思い出させてくれるのです。
そうそうそして、『アルゴ』との二本立てだと、あの終盤のメモのシーンにあ゛ーーー!!!!となりますね!うわーこれ気付いてなかったわ、ダグがフローリー捜査官に残したメモには“GO FUCK YOUSELF”と書かれているのです。『アルゴ』の合い言葉は“Argo, Fuck Youself”だったじゃないか。“Go Fuck Youself”は決して珍しい言い回しじゃないし、アフレックは『アルゴ』の脚本は書いていないので偶然だろうけど、それにしても誰がうまいこと言えと。うわーん楽しかった、早稲田松竹ありがとー!
さてジェレミー。DVD観たあと結構レヴューとか読んでまわったら、ジェムがおホモだちよろしくダグをひきとめる!(この言い方もどうなのか)とか書かれていてえ、それ意識してなかった…と思い、そのへん改めて注意して観たら、まあ…確かに……。と言うかダグはもっとジェムにかまったれよ…あなたのためにひと殺してんのよ!「頼んでない」けど!あとダグが「フロリダで会おう」つってんのに「帰りを待ってる」とか、何その出征するダンナの帰還を待つ奥さまみたいなけなげなスタンス……かわいいそうすぎる。いや、ともだち思いで故郷思いのいいDQNだよね……。でもさーダグもジェムと距離を置こうとしてる割にはクレアの車壊した連中を襲撃するときジェムを誘ったり、酷いわ。ジェムは都合のいい女かYo!それでついてっちゃうジェムもどうYo!
それはともかく、これのジェレミーはホントいいです。繊細な目の表情が素晴らしい、クレアと話してるときのくるくる動く目!ダグに酷いこと言われたときの目!フローリーに声掛けられて振り向く迄の目!ジェレミーの目に魅力を感じているひとは必見です。ああこれが映画でよかった、この目が!あの目が!映像として残っている!あと『ハート・ロッカー』のとき「ジェレミーは歩き方に特徴があり過ぎて、顔が隠れる防護服を着ているシーンでもスタントが使えなかった(だから全部自分でやった)」って何かで読んだけど確かにすごい特徴ある。警官の変装して球場を出て歩いていく後ろ姿、すごい印象に残る。それにしてもフローリーに声掛けられる→振り向きざまに銃乱射→袋のねずみ→隠れる→弾撃ち尽くす→ジュース飲む→“I surrender!”とか言いつつ弾入ってない銃を構えて飛び出す…これある意味自殺だよね……せつなく素晴らしいシーンでした。
その他(まだあるか)
・クリス・クーパーの存在感が素晴らしい
・ピート・ポスルスウェイトの存在感が以下同文
・ピートさん、遺作『Killing Bono』は日本で公開されなかったので『ザ・タウン』が日本で観られた最後の作品だったんだよね……名演でした
・あと花屋にいたもうひとりのおっちゃんの存在感が以下同文。この方は役者さんではなく、実際の“タウン”の住人だそうです。タトゥーもほんもの
・他にも実際のタウンの住人(元服役者含)が出ているシーンが沢山あり、彼らの意見を参考にしたシーンも多くあるとのこと
・ベンアフ、あんまりエモい芝居しないひとだけど、お父さんにお母さんのこと訊いて躱されたときの泣きそうな表情がすごくよかったなー。6歳のこどもに戻ってた
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02月03日(日)
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