ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■ザ・ファクトリー2『話してくれ、雨のように…』『財産没収』『火刑』『ロング・グッドバイ』
個人的には、ゴールド・シアターとネクスト・シアターの公演は、蜷川さんが手掛ける仕事でいちばんエキサイティングだと思っている。劇場に行くのが毎回楽しみで仕方がない。ベニサン・ピットでの公演もそうだった、毎回刺激的だった。この日は大石継太さんがいらしていた。大石さんの実力を思い知らされたのも、ベニサンでの『待つ』シリーズだったなと思い返す。どんな気持ちで観ていたのかな。

戯曲でしか知らなかったテネシー・ウィリアムズの一幕劇を一気に四本観ることが出来て嬉しかったしすごく面白かったです。「話してくれ、雨のように…」と言う台詞を、実際に役者の発声で聴けたときの嬉しさったらなかったですよ。実生活で絶対使わないであろう(使わ…ないよね……)こういう台詞こそ役者の力量が問われる訳で、ここの堀くんのさらりとした、それでいて焦燥感と倦怠感溢れる言いまわしは素晴らしかったよー。そして一気に観るとますますなんと言うか、「テネシーよう…ブランチよう……」と思うね……。性的抑圧、蹂躙される繊細な魂、家族との別れ、死者との戯れ。登場人物のそこかしこにテネシーの、ローラの、そしてブランチの影が潜んでいる。『財産没収』で内気なトムを演じた内田くん、『火刑』で癇の強いエルワを演じた小久保くん、そして『ロング・グッドバイ』の主人公、小説家のジョーを演じた川口くんは、テネシーの孤独な魂を見事に表現していました。松田くんの受けの芝居も巧い。女優陣もよかったなあ。『火刑』でデュブネ夫人を演じた周本さんはすごかった。あれは辛抱のいる役だよね……。女性の大きさを魅せた土井さん、狂気と陽気と悲しみに溢れた白川さん、追憶の中で生きる長内さん、茂手木さんも素晴らしかったです。

「Ev'ry Time We Say Goodbye」を聴きたくなった帰り道でした。

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・毎度カフェペペロネ。本日は三食パスタのきのこクリームをいただきました。親の敵かってくらいきのこが入っていた。おいしかったー
・そしてビストロやまのマルシェで鰊の燻製を買って帰る。遠足コ〜ス

11月24日(土)
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