ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
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■六月大歌舞伎 夜の部『ヤマトタケル』
毛利臣男氏による衣裳も豪奢、そしてかなり重そう。特に印象に残ったのは熊襲兄弟の衣裳。兄は大蛸、弟は大蟹を背負っています。この蛸と蟹がもうね、それはそれはの大物。普通のひとが背負ったら立ち上がれないのではないかと思ってしまう程の大きさです。動くときにたっぷりとした裾を後見が数人で持ち上げるのですが、それが羽根を拡げた孔雀か威嚇するエリマキトカゲかと言うヴィジュアル(笑)。もーーーむっちゃ舞台映えする。それを身に付けた熊襲兄タケルを演じた彌十郎さん、熊襲弟タケルを演じた猿弥さんの格好いいことと言ったら!!!大柄な彌十郎さんの存在感、猿弥さんの力強い動き。熊襲の場面はむちゃくちゃ楽しかったしドキドキハラハラしたしもう釘付けだった!
彌十郎さん、芝居もシビれた…むちゃ格好よかった……(ぽわ〜)熊襲兄と伊吹山の山神、二役を演じて二役ともタケルに退治されるんですけど(涙)その死にっぷりも素晴らしいんですヨ!頭領としての誇り!敗れ乍らも相手を無傷では帰さない神の威厳!もう持ってかれましたよ!熊襲兄は死んでから突っ伏してるシーンが長くて(笑・途中で衣裳から抜け出てるようなのですが)大蛸が床にべらーとなって延々死体が舞台に放置されているので、ヴィジュアル的にも面白いやら悲しいやら長く見られて嬉しいやら。伊吹山の山神の最期、山から後ろ向きに飛び降りるところには涙が出たよ!あーもう格好よかった…そして実は彌十郎さんに大向こうが飛ぶのを観たのも初めてで感激した……。
歌舞伎では珍しいカーテンコールにも、ストーリーに繋がる演出がありました。帝は二幕目以降登場せず、タケルは故郷に帰ることなく死んでいきます。使いの者から帝の許しを聴けたことはひとつの幸せでしたが、和解した父子は命あるときに顔を合わせることが出来なかった。カーテンコールでふたりは出会い、タケルが帝の手をとり跪き寄り添う、と言う場面がありました。そして二度目のカーテンコールには猿翁丈も登場!大歓声とスタンディングオベーション。涙ぐんでいるひとも沢山いました。手を振り、猿之助さんと中車さんと手を繋ぎ、一言も発せず客席を見渡しわずかにうんうんと頷いたその姿の大きさに圧倒された幕切れでした。
ストーリーに関しては、初日前に猿之助さんが言っていたとおり「二股交際の話」だった、と言うか二股どころではなかった(笑)タケルモテモテ、そして走水の場面の淡白さがすごい…弟橘姫を手放す経緯迄スピーディですよ!個人的には熊襲や蝦夷、伊吹山の面々に肩入れしてしまいます。九州出身者としてひいきもするよ!熊襲も蝦夷も楽しく暮らしてたのにー!ホント侵略だよあれはー!ヒドいよー!あーもう熊襲ちょーかわいそう…蝦夷も……。蝦夷と言えば弘太郎くんが演じた蝦夷っ子のヘタルベが愛嬌あってかわいかった。髪型もツインテールだしね(笑)。以前の脚本ではヘタルベが蝦夷に帰るシーンがあったそうで、それも観てみたいなあと思いました。弘太郎くん、カーテンコールでは女性から大向こうがいくつも飛んでいましたよ。
解りやすいものをバカにしたり見下したりすることの傲慢と危険性を改めて考えました。自戒も込めて。解りやすいからこそ、その奥にある登場人物の心情やストーリーの背景に思いを馳せることが出来る。そしてそれを豊かに、より深く想像することが出来るのではないか…と思いました。
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よだん。
・ヤマトタケル=みすず学苑の呪縛から解放されたぞー!これからはヤマトタケルと言えばスーパー歌舞伎!
・襲名披露記念グッズがいろいろあって目移りしまくりです。檜箱入りの信玄餅買おうか迷っている…な、中身食べたら箱はおべんと箱として使えるよね……
・あーあと蝦夷の衣裳、頭にどうぶつの尾っぽみたいなのがついてたのがかわいかったー。いやもう衣裳も見どころありまくりで大変…と言えば、これの初演時衣裳制作のバイトに入ったひとから話を聞く機会があったのですが、
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作り直したのか補修したのか、気になるところ。初演のだと、昔のだから、すごい重いんだよね。
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06月09日(土)
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