ID:43818
I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
by kai
[648625hit]

■『ミッション』
あと単純なところであたりまえと言えばあたりまえなのだが、そのひとがその役でちゃんと見える。『太陽』で軍服似合ってあら素敵、なんて思った浜田さんがちょーもっさいあんちゃんで、ギャグももっさい。世代を感じました(笑)わかる、わかるで……。渡邊さんや井上さんは、終演後配役表を見てあまりに印象が違って驚きました。今度他の作品で観たときすぐ「あ、あのときの!」て気付く自信がない……これって何げにすごい。

鏑木知宏さんの音響がよかった。トラムの空間を隙間なく埋め尽くす雨音がホワイトノイズに転じたような瞬間があって、ここにも聴覚のゲシュタルト崩壊を感じたなー。土岐研一さんの美術も印象的。トラムの横幅をいっぱいに使ったステージ。ジグザグの傾斜と、演者自らが移動させる支柱によって、そのシーンの空間と距離感、経過時間を示す。ルールの提示が非常に整理されていて、具象のセットがないのに転換がとても自然。視覚聴覚ともに、面白い体験が出来ました。

『一丁目ぞめき』のことを思い出したのは、家族の修復能力について。赤堀さんが描く家族のそれと、前川さんの描いたそれを観られたことは、個人的に興味深いことでした。発端、経緯、感情の表現の違い。そして共通点。前川×赤堀作品、また観たいな。

弟が怪我を負ったことで家族の綻びが露になったけど、皆が笑顔で揃った。川縁の家は流されたけど、入院していたことで師匠は助かった。そういうちょっとしたことが、全て繋がっていると思える瞬間、そして世界。その些細な出来事が可能性になり、希望に転じる瞬間がある。見えない未来に決意を持つ。それを見られたことが嬉しかったです。

05月25日(金)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る