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西方見聞録
by マルコ
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■いい夢ばっかりでもないけど悪い夢ばかりでもないC今そこにある危機エイズ
エイズはもう13年前のあの時点で多くのアフリカの国々で未曾有うの危機として捉えられていました。で。家族計画の知識普及と並んでエイズ知識の普及はかなり地方部まで進んでいたと思います。十分ではもちろんなかったけど。
チュカのマラヤさんの自助グループが30%HIVウィルス陽性といっていましたが、確かなデータは当時なかったのですが、普通の妊産婦さんで20%という数字を聞いたことがあります。そう確かに国を挙げて取り組むべき悲劇としてエイズはそこにありました。
マルコが着任していた人口局だけでなく、森林省も農業省も社会事業省もプロテスタント系の教会・病院・学校もとにかくエイズを止めよう。コンドームをしよう。と本当に必死だったのを覚えています。なのでダーウィンの悪夢で「コンドームも罪」とカトリックの教会関係者が言いきり、それをまるでアフリカの一般的意見のように取り上げた映像作家には非常に大きな憤りを感じました。カトリックの本当に地方部の原理主義者みたいな人に確かに論戦を挑まれたこともあります。生殖は神の技で避妊具で調節すべきじゃないって。でもすごい一部です。13年前すでに過去の遺物みたいに村の人に言われていました。その教会関係者。カトリックの教会関係者も多くは片目つぶって、かなり協力してくれました。地方部の村々でエイズや家族計画の情報サービス普及をするCHW (Community Health Worker)さんや CBD(Community Based Distributor)さん相手のソーシャルワークスキルアップのセミナーをカトリックの施設が毎年安くで使わせてくれてたのを覚えています。
(ちなみにケニアの場合人口の約45%がプロテスタントでした。カトリックはそれより少ない40%代前半で、残りがイスラム教徒でした。)
マルコはいろんな仕事をしたけど一番働いたのってエイズ知識と家族計画知識普及のためのビデオ上映会付セミナーの農村部での開催でした。たしか2年間で延べ6万人の観客にを動員したと記憶しています。
上映会のたびに村のCHWやCBDを紹介して「この人のところにいくとコンドームやピルを分けてもらえるからね。カウンセリングもしてくれるからね」と伝えました。CHWやCBDは村の高学歴者(中学を出た人)が病院にリクルートされて勤める有償ボランティアで、農業と兼業でやればまあやっていけるくらいの収入にもなるし村で尊敬も集めるのでわりと賢い村の娘たちや時々おにいさんが勤めていました。みんなとっても熱心でした、エイズとの闘いに。
踊ってうたうCBDさんワイシャツ姿の方ですな。メソディスト系の病院のCBDの棟梁でした。
またメルー県には3つの大病院があったんですがケニアの場合交通事情があんまりよろしくないので、各郡にディスペンサリー(診療所)がおかれ、さらにその奥には毎月1回移動診療車が各村を巡回してOutreach Clinicを開催します。その村のCBDやCHWは「あした村の公会堂に診療車が来るからナースに相談があったら行こうね〜。あなたそろそろ次のピルの時期だけどこのごろ血圧高いからナースに相談しよう。」とかって一軒一軒に触れて回っていました。
ダーウィンの悪夢でエイズにかかった村の女の人をたずねる場面があってその女の人を紹介するタンザニア人男性が居たけどわたしその人を見て「お、CBDだな」と思いました。取材とか学術調査があると村への案内はいつもCBDが担っていたので。わたしも着任したばかりのころはよくあっちこっちの村にCBDの案内で連れて行ってもらったな。
えーっとこのひとはエイズキャリアの牧師さん。自らの経験やエイズ予防法を村で語ってもらいました。すごい演説が上手でいつも大人気。
ここではデンマーク系のボランティアさんと一緒にお仕事。このヒトとマルコはよく喧嘩しました。
以下は地方のディスペンサリーの風景。
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03月01日(木)
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