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西方見聞録
by マルコ
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■塩田千春ー精神の呼吸展、つけたり大阪市立科学館
で、私はその乙女や乙女以前の人との会話の間考えていたのは「治療塔惑星」(大江健三郎)の最後に近いシーンで出てきた「繭コクーン・カプセル」の光景でした。それは30人の子ども達が黒い水に浮かべられた繭コクーン・カプセルに眠らせられて、地域核戦争や環境破壊で汚れてしまった地球と人々を救済するための治療塔のビジョンを受け取る、というシーンなんです。で、作品の随所にキーとして原爆ドームが地球の治療塔としての存在(宇宙には本物の治療塔があるんですけど)と描かれるのですわ。
(家に帰ってきて、治療塔惑星を読み返したら、若い頃読んだのと少し印象が違う話になっていてちょっと戸惑いました)


 そんなことをぼんやり考えていて1号さんに「で、おかあちゃんはこのベットは誰が何のために寝たベットだと思うの?」とストレートに聞かれて、どう答えようか、と迷った挙句「原爆で死んだ人や、戦争で傷ついて死んだ人の魂が、死んだあと眠っているベット、ここで悲しい記憶や痛みを癒して、またこの世に生まれてくることを望むのをゆっくり優しく待ってあげるベット」と答えました。

 1号さんは、こうの史代の「夕凪の町桜の国」を読了したばかりだったので、母の言いたいことがなんだか分かったようでした。

 その後、巨大泥のドレス「皮膚からの記憶」ではおKさんが「こわい〜大きい人が着るの?」とマルコにしがみついてきました。怖いかな?

 その後は写真展では「90年代のベルリン」の意味を説明させられる、なんて芸当まで子どもらは母に要求しましたが、それなりに楽しく子どもらにとっての現代美術初体験は終了しました。いや〜大人と一緒に行くほうがラクですが子どもにストレートにいろいろ聞かれながら回る美術館ってのもそれなりに楽しかったです。

 そのあと、お昼ごはんを大阪市立科学館のレストランで食べて、午後は科学して遊びました。橿原の子ども科学館が5倍の大きさになったような感じでした。あとそれにプラネタリュウムがくっついたって言うか。でもそこにいる人の数は橿原の1000倍くらいだったので橿原のほうがゆっくり見れたり体験できたりしていいかも。

 プラネタリウムでみた古代の海の恐竜の生態と恐竜の骨の発掘を営む古生物学者の話が交互に語られる映画がおもしろかったです。

 その後おKさんが「もう一度靴を見たい!」といったのですが、もう遅かったので、3人で天王寺まで出て、エスニック料理屋でマレーシア料理とか食べて帰路に着きました。なかなか盛りだくさんな1日でした
 
 

07月19日(土)
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