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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■3・11を忘れない〜震災から12年





 東日本大震災からちょうど12年経った。日本はプレートの境界に位置するということもあって、こうした巨大災害から逃れることはできない。一定期間ごとに必ずこのような地震が起きるのである。南海トラフ地震もいつ起きてもおかしくない。その時にいかに被害を少なくするかということである。
 3・11で我々は多くの教訓を得た。すぐに適切な避難行動を取れば多くの命を救うことができるということも学んだ。被害や犠牲をゼロにすることはできなくても、少しでもそれを軽くすることはできるはずである。校庭で待機しているところを津波に襲われたという大川小学校の悲劇のようなことは二度と起こしてはならないのである。

 今もまだ避難生活を続けている人も居る。原発がメルトダウンするという事態は「帰還困難区域」という新たな悲劇を住民にもたらした。多くの原発が日本中で稼働しているのに、そのどれ一つとしてメルトダウン対策のための「コアキャッチャー」が装備されてないという事実も我々は知るべきだ。単にコストがかかるというだけの消極的な理由で日本の原発はコアキャッチャーを装備していなかったのである。EU基準ではとっくに当たり前のものだったコアキャッチャーのことを自民党の政治家が「今後は新たな安全装備も導入して」などとほざいてるのを聞くと、「ふざけるな!」と言いたくなるのである。
 失われた命はもう戻らないが、これからの地震や津波への対策ならできる。南海トラフ地震が起きれば大阪湾でも津波被害が起きるだろう。淀川に逆流してきた海水はそのまま両岸の堤防を越えて広い範囲を水没させるかも知れない。その時にいかにして避難するかである。「何もかも捨てて逃げる」という行動を瞬時にとれるかということだ。

災害で自分の大切な人を亡くしたという悲しい記憶はいつまでも消えない。「その時」になって「どうすれば自分の命が助かるのか」ということを誰もが考えないといけないのである。

 南海トラフ地震をテーマにしたドラマがNHKによって制作されて流れていた。淀川の水があふれて梅田に津波が押し寄せれば、広大な地下街は完全に水没する。ただ、地震が起きてから津波が梅田に到達するまでにはタイムラグがあるので、その間に避難行動が取れるはずだ。地震が起きたその瞬間に自分はどこにいるだろうか。クルマを運転中だろうか。高速道路を走ってるだろうか。

東日本大震災の津波被害を受けた街では、高台移転した土地にニュータウンが建設されたりして日々の暮らしが取り戻されようとしているが、過去に存在した地域コミュニティの多くは崩壊したままだ。その中核を担っていた人々を失い、人口減もあってそのまま消滅してしまうところも多いだろう。

 阪神大震災と東日本大震災の大きな違いは、阪神大震災の被災地域がほとんど人口密集地域で、住人にとって「すぐに現地で復興しなければならない土地」だったが、東日本段震災の場合はその土地がすでに過疎化が起きていて、地震・津波被害を機に多くの人がその土地を捨ててしまったことである。人口減少社会の中で日本は多くの過疎地域を抱えることとなったわけだが、そうした地域を今後どうしていくのかという問題も我々の国は抱えているのである。
 ワールドベースボールクラシック(WBC)に人々は熱狂し、日本は繁栄していると信じて疑わない人も多いわけだが、過疎地域では地方議員のなり手が不足していて無投票になることが多い。日本は二極分化が進んでいるのである。

農業政策がクソで、地方をどんどん衰退させてきた自民党にいつまで投票し続けるのか。北海道では大量の生乳が捨てられている。その一方で海外から大量の乳製品を輸入させられている。それに対する批判票のつもりでさらに新自由主義的な政策を進める維新の会に間違えて投票することのなんと愚かなことか、あるいは世襲議員に投票する愚かさにも気付いて欲しいのである。山口県は岸信介の子孫の持ち物ではない。


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03月11日(土)
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