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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■公立鳥取環境大学は素敵だ!
インテックス大阪で、「夢ナビライブ2015」というイベントがあった。大学の先生の講義が聴けたり、直接大学の方から詳しい説明を聞いたりできるという企画である。1万人を越える高校生が参加する一大イベントである。当然オレも見学に出かけたのである。そこで紹介されている講義の中にはいろいろと興味深いものもあったし、他の学校の高校生がどんな雰囲気なのか、それも知りたかったのである。
大学ごとのブースを見ていて、「公立鳥取環境大学」というところが目にとまった。鳥取県にはけっこう近畿圏の生徒が進学している。大阪から「スーパーはくと」で2時間半(6470円)、高速バスで行くと約3時間(3700円)である。たまたまそのブースの前は人がいなかったので、話を聞いてみたいと思ってお伺いした。
大学の4年間に地方の大学で一人暮らしをしてさまざまな経験を積むことは人生をかなり豊かにするとオレは思っている。東京や大阪のような大都市圏で暮らしてるだけでは理解できないものがたくさんある。そういう意味では鳥取というのは大阪から近すぎず、遠すぎず、手頃な距離の「田舎」であるとオレは思っている。
公立鳥取環境大学は、環境学部と経営学部の2学部しかない小さな大学だ。募集人員も2学部合わせて300人に満たない。しかし、小さいながらも大きな総合大学に負けないさまざまな工夫がある。日本海側に位置するということで、たとえば学生の第二外国語としてロシア語、中国語、韓国語を準備していることはその一つである。日本海を隔ててつながっている地域と交流を持つためにそれは欠かせないことだ。
公立と言うことで学費も安い。それだけではない。大都市圏と比較して下宿代が激安なのである。4万円以下でもかなり快適な部屋が借りられる。それはかなり大きなことである。また「田舎=交通が不便」という状況を改善するために大学が日本交通バスと提携して、学生証を提示するだけでバスに乗れるようにしているサービスもいい。スクールバスを廃止した代わりに路線バスに自由に乗れるようにした結果、学生は休日もバスに乗れるようになったし、バイトの行き帰りにもバスを使えるようになったのである。大学独自のそうした地元密着型の努力はとても評価できる。
もちろん、都会を離れる学生にとっての最大の不安は「田舎は就職に不利なのではないか?」ということである。しかし、小規模校のよさは「学生一人一人の就職を適切にサポートしてくれる体制」なのである。そのあたり私立のマンモス校とは全く違うということだ。就職するときにただ名前の通った大企業に入るということではなく、中小企業であってもオンリーワンの分野に強みを持っているような、そんな隠れた一流企業をこそオレは勧めたい。そういう志を持った人間にとって、地方の国公立大学はとても魅力的だ。
「そんな田舎に行けばもう都会に戻って来れないのでは?」
はっはっは。そのまま戻らなくてもいい方がはるかに豊かな人生である。地球上のどこにいてもネットで世界につながる今、どうして都会に住む必要があるのか。空気のきれいな、自然環境豊かな田舎で暮らせる生活が手に入るのならそれはかえってすばらしいことではないのか。
もちろんオレの勤務する学校の生徒たちは東大や京大、阪大、神戸大といった難関校を目指すのが普通だ。だからなかなか地方には目を向けない。そして難関の国公立大に入れなかったものは関西なら関関同立といった私学のトップレベルを目指す。確かに関関同立はゼニも持っているし、設備も立派だ。学生数も多い。しかしそういうありきたりの選択ではなく、そこで人生を劇的に変えてみようという選択肢はないだろうか。「砂場」はあるけど「スタバ」はついこのあいだまでなかったという鳥取県、そこにある魅力を自分から見つけに行くということも面白いのではないか。
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06月22日(月)
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