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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■選挙は個人的な復讐の場ではない
 総選挙が行われる。そこでなんと橋下大阪市長と松井大阪府知事が出馬する意向だという。自民党が一人勝ちの状況で野党がなんとかしないといけないのはよくわかるが、その出馬の動機が「大阪都構想で裏切った公明党に対する報復」なら実にばかばかしいのである。

 確かに公明党は大阪都構想から離脱した。前回の選挙で公明党の議席回復のために維新の会は独自候補を立てずに協力した。これはまぎれもない事実である。その恩義を感じていれば公明党は維新の大阪都構想に協力すべき所だが、なぜか公明党は自民党と歩調を合わせて大阪市議会で反対派に回ったのである。

 「裏切った」と怒る気持ちはわかる。しかし、政治なんて常に権謀術数の世界である。そんなところに信義などを持ち込むのは馬鹿だ。もちろん中には信義を守る政治家、筋を通す方々もいるだろう。しかし、公明党は冷静に「いま党としてどのように動くのが得策か」と考えているわけで、ちょっと選挙で助けてもらったからとかいうことにこだわり続けて大局を見誤ることを避けただけである。そして公明党が都構想から離脱したことは正しいとオレは思っている。オレに言わせれば、大阪都構想はもはや賞味期限切れなのだ。

 大阪都構想では大阪府民に対して何か輝かしいメリットを提示できただろうか。ただ単に二重行政が解消して、税金の無駄遣いが減る以外に何のメリットがあるのか。大阪市を特別区に再編するだけなら、そのまま現行の大阪市の中でやればいい。大阪府の名称が大阪都になったところで何も変わらない。入ってくるゼニも使えるゼニも同じなら何も新しいことはできないのである。

 もしも大阪都構想ではなくて大阪国構想ならオレは両手を挙げて賛成した。中国と香港のように一国二制度を掲げて独立するのである。大阪国では関税がかからないから外国製品が安く買えるとか、大阪国では公営ギャンブル以外も解禁されているとか、大阪国では法人税がタダとか相続税が半分で済むとか・・・そんなむちゃくちゃなメリットを提示して「大阪国」として独立するなら大阪の人たちは「おもろい!」ということで賛成しただろう。大阪の人間の価値判断の基準は実に単純である。「おもろい」「おもろない」だけなのである。大阪都構想は賞味期限切れで今や「おもろない」ものとなってしまったのだ。橋下大阪市長は速やかに都構想の敗北を認め、方向転換すべきである。政治家というのは機を見るのに敏でなければならないし、泣いて馬謖を斬ることができる厳しさも必要だ。お友達ということで中原教育長を更迭しなかったが、そのパワハラ発言を見る限りではとても教育長の器ではない。残念ながら彼が利害調整型のバランス人間ではない以上、教育長という立場にはふさわしくないとオレは思うのである。大阪では私立学校と公立学校がうまく棲み分けて生徒を分け合って共存してきた。受験競争で北野高校の一人勝ちシステムを作られてしまうことは他の学校にとってとても迷惑である。

 さて、突然の選挙には大義名分が必要だ。安倍晋三首相は「消費税の10%へのUPを国民が信任するかどうか?」という選挙にしようとしている。野党が総崩れの今なら絶対に勝てる。そう踏んでの選挙である。消費税増税に明確に反対するのは共産党、社民党などの泡沫勢力しかない。民主党も維新もみんなの党も基本的に消費税UPという路線を肯定してきた側である。そうなると今回の選挙は自民党の負ける理由がないのである。負けるはずのない選挙の争点を「消費税UP」にするところがなんとも卑怯なのである。

 その卑怯な選挙に、「公明党に復讐する」という全く私的な理由で参戦する維新幹部の行動にはもうオレはあきれるしかない。茶番も茶番、そこまで政治を私物化してしまうのかとあきれてしまうのだ。


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11月18日(火)
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