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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■労働者派遣法改正の果てにあるもの
国会の争点が「労働者派遣法改正案」になっている。さて、政府はこの制度を改正して、これまで3年間以上働けなかった派遣労働者が働き続けられるような仕組みを作ろうとしていて、野党はそれに反対しているわけだ。野党というか民主党のメンバーのなかには労働組合出身の労働貴族がいて、そいつらが正社員の権益を守ろうとしてるわけなんだが、正社員の権利を守るために犠牲になる非正規社員がいることをわかってないのである。
オレはかつて公立高校の教員をしていたが、そこの組合活動というのは「いかにして仕事をせずに楽をするか」という目的に終始していて、生徒をいかに教育するかという視点が全く欠落していた。そして卒業式が近づくと、職員会議でえんえんと国旗掲揚に反対するのだった。オレが公立高校を辞めた理由の一つが、そんな「組合活動」というものの馬鹿馬鹿しさに辟易して、そんな連中がいないところに行きたかったということである。
野党の主張に従えば、派遣社員や期間労働者は3年経てば解雇されることになる。そのまま働き続けるという選択肢がなくなるのである。そこで「派遣社員を正社員として雇用する」「他の派遣社員を雇う」という二つの選択肢しかなければ企業はコストを考えて後者を選ぶだろう。「仕事をある程度理解してくれている派遣社員をそのまま使いたい」というオプションが存在しないから、そのオプションを選べるようにしようというのが政府の改正案なのである。
正社員が減って非正規雇用が増えたというのは世界的な流れである。小泉純一郎の「規制緩和」の流れの結果、日本の企業は高コスト体質を脱して競争力を取り戻し、その一方で労働者の賃金は下がり続けた。今の景気回復は労働者の側を犠牲にして達成された。それは事実である。ただ、この世から正社員がなくなったわけではない。だから、きちっと正社員を目指せばなれるのだ。ところがスキルを身につけていなかったり、みんなが4年間遊んでいるFランク私大に入ってしまったり、ネトゲ中毒で不登校になって高校を中退してしまったりするから正社員への道が閉ざされるのであって、その多くは自己責任なのである。
平均年収が下がったから生活できないのか。そんなことはない。労働者にせっかく支給された給与を、住宅ローンというしがらみを背負わせて銀行が巻き上げるというのがかつての経済モデルだったじゃないか。しかし、もはや住宅供給は過剰になってしまった。大量の空き家がどんどん発生しているのである。東京以外の都市圏の家賃相場は年々下がっている。待っていればいずれ家はタダになる時代がやってきたのだ。相変わらずバカ高い家賃を設定している都市公団(UR)では、相場よりも高すぎるのでかなりの空き室が発生してしまっている。もしもその状態を是正するなら大幅値下げしかない。値下げが起きればドミノ倒しのように家賃相場は暴落するだろう。
かつて高度成長の時代に多く建てられた郊外の建て売り住宅は、子どもたちが巣立っていって夫婦二人で暮らすには広すぎる。仮に売りに出したところで法外な安値でしか買い手はつかないのである。買う時は3500万も4000万もした家が、35年ローンを払い終わってから便利のいい都心部のマンションに引っ越すために売ろうとしても500万にしかならないというのが今の状況なのだ。500万で売れればまだいい。いずれ最寄り駅からバスに乗らないと行けないような物件は、タダでも売れなくなるだろう。そんな所に住まなくても駅近の物件がいくらでもあるからである。
若者が住宅ローンを払わなくてもいいということになると、年収300万程度でも十分に豊かな生活が送れるということになる。家賃がタダならなおのこといい。また精神疾患などを理由に生活保護が受給できればもう一生喰うには困らない。詐病による不正受給はこれからどんどん増えていくだろうし、朝からパチンコ三昧のクズ野郎でもけっこう生活保護が支給されているからきっと審査などはあってなきがごとしなんだろう。
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10月29日(水)
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