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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■「日本維新の会」終了のお知らせ
大阪府議会は12月16日、泉北高速鉄道などを運営する第三セクター「大阪府都市開発(OTK)」の株式を米投資ファンド・ローンスターに売却する議案を反対53、賛成51で否決した。「維新の会」が過半数を握っていたはずの府議会で、「維新の会」の提案が否決されたのである。維新の府議会議員の中から4人が造反して反対に回ったためにこの議案は否決され、維新の会は4名のこの造反議員を除名処分とした。
なぜ外資のローンスターは「大阪府都市開発(OTK)」を買おうとしたのか。利益剰余金が259億円近くある優良企業で、しかも毎年黒字を生み出しているからである。年間の黒字額が約18億あるので、投資金額の781億円に対する利回りは2.3%だ。しかし、利益剰余金を引いた差額から見れば年間の利回りは3.4%に跳ね上がる。ローンスターにとってかなりおいしい投資である。
しかもローンスターは高値で転売するために買うのであり、もしも営業努力を放棄して人員削減、間引き運転などで「利益重視」路線で来られたらどうなるのか。合理的な経営というのはそういうものである。住民が困り果て、そのときにあわてて「買い戻す」と言っても今度は1000億円くらいの金額を提示されるだけである。781億円で買った物を5年後に1000億円で売るというようなあこぎなビジネスを外資がやろうとしてるのに、党議拘束とかいうものにしばられてあえて間違った判断に賛成させられたのが維新所属の議員であり、まともな常識人の思考をして反対票を投じたのが、共産党をはじめとする府議会の野党議員と、今回維新を除名された4人である。それにしても維新のこのやり方は情けないのである。
「(まちがった決定であっても、住民に不利益でも)党の決定だから従え!」
組織の統制がとれなくなって、「除名」などの言葉で脅してメンバーを縛り付けなければいけなくなったとき、もうその組織は死に体である。今の維新の会の状況がまさにそのありさまなのだ。党の方針に対して反対するメンバーがいれば、その反対意見に耳を傾け、そしてそちらに理があれば方針を変えることもトップには求められる。それが「民主的な」組織である。恐怖や恫喝で支配するのではなくて、個々のメンバーの意見を取り入れることで組織はよりよく変わっていけるのである。
所属議員たちは沈みかけた船からの脱出をはかろうとする。東国原氏が国会議員を辞任して離党することを北野たけし氏は8月の段階で予言していた。大地震が起きるときにネズミが避難したりすることにたとえて、「あいつは嗅覚がきくから」と揶揄していたのだが、その予言通りになったのである。今回造反した4人にとって、維新を抜けるための大義名分としては格好の材料だったわけだ。「たとえ党から除名されても地元民の利益優先」という行動を取った議員は次の選挙ではきっと当選できるだろう。地方議員にとって大事なのは地元有権者の支持であり、自分がどの政党にいるかなんて二の次である。当選さえできればどの党だっていいという議員もいるはずだ。だから政治家は離合集散するのである。
ローンスターは手に入れた大阪府都市開発を永久に保有するつもりではないのは明らかだ。投資ファンドとして買った値段よりも高く転売することしか考えてない。それを買うのは誰か。結局誰かが負担しないといけないのである。事業を切り売りしてすぐに利益を出そうとするかも知れない。極端な話、その駅や線路の土地を更地にして売り飛ばしてもいいわけだし、その簿価は781億どころではないだろう。そのマネーゲームの手伝いなんかする必要はないのである。
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12月19日(木)
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