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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■HIVウイルス感染者の責任について
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先日、献血された血液にHIVウイルスが混入していて、その血液を輸血された方がHIVウイルスに感染してしまうという事件があった。オレはその事件に関するさまざまな新聞記事を読んでいて感じたのだが、いくら献血という行為が善意の行為であるとはいえ、自分が感染者である可能性があるのに献血を行い、不特定多数の人を感染の危険にさらしたことに対してなんらかの罪が発生しないのかということである。
HIVウイルスに感染していながら献血する行為が、どうして「傷害致死罪」「重過失致死罪」に問えないのかということだ。もっとも今はHIVウイルスに感染してもエイズ発症を抑えることができるので「致死」はオーバーかも知れない。ただ、他者への感染を防ぐためにはさまざまなことが制限されるわけで、極端な話だがコンドームを使わない性行為が行えなくなるということは少なくとも大きなダメージではないのか。そんなことをあれこれと感じたのである。
昔、法学部の友人に「わざとインフルエンザをうつすのは罪に問われないのか?」と質問したことがある。その答えは「うつったウイルスが誰からかということが特定されれば、傷害罪に問える可能性はないこともない」ということだった。不特定多数の人がかかるインフルエンザのウイルスはそこら中にあるが、HIVウイルスはまだそこまではびこってるわけではない。
エイズは1980年代初めは同性愛男性や麻薬中毒者に多い病とされ、それは出血を伴う肛門性交や同じ注射器を使った麻薬の回し打ちで広がったとされる。その結果の感染を「自己責任」であると否定するのは簡単だ。しかし、我々の社会はそうして感染した人たちも一方的に排除することなく、共生するという選択肢をとったのである。HIVウイルスにたとえ感染してもエイズ発症を抑えるための治療薬が開発され、その結果として一般人とあまり変わらない生活を送ることはできるようになった。
アメリカやアフリカでの感染の多くは同性、または異性間の性行為によるものだが、日本でHIVウイルスの感染が広がったのは、ミドリ十字と結託したあの大量殺人者、安部英教授がHIVウイルスに汚染された可能性のある血液製剤を売りまくったからである。血液製剤のせいで感染した人は不幸な被害者であり、全く自分の責任はない。しかし、肛門性交や麻薬の回し打ち、コンドームを使わない性行為によって感染した場合、それは完全に自己責任である。その両者を同じように保険医療の対象として、同様に救済するのかオレはどうも釈然としないのだ。HIVウイルスに感染するようなことをしていた人間がその結果として感染した場合に救済されるのか。オレはどうしても納得できないのである。
しかし、オレが納得できないことであっても、社会はその両者を分け隔てなく救済するような仕組みになっている。それはたとえば病気で働けなくなった者も若いときに年金を掛けずに全部浪費して無年金になった者も、重大な犯罪の結果年を取るまでほとんどを刑務所で過ごしていて出所した時にはすでに働けない老人になっていた者も、すべて生活保護制度の受給対象として保護することになっているわけで、それが社会的弱者を分け隔てなく救済するという福祉の根本理念である。それを完全に納得できないオレはきっと心が狭いからなんだろう。オレのように働いて税金を払ってまっとうに社会人の義務を果たしているオッサンから見れば、人生ずっとふまじめに遊んでいたヘタレもちゃんと救済される仕組みというのはなんだかな〜と思ってしまうのだ。
貧困に陥った者を分け隔てなく救済するというのが社会福祉の根本理念であるから、自己責任論は無視されアル中もシャブ中も「無収入で生活できない人」はみんな生活保護の対象となるわけだ。同様にHIVウイルスに感染した理由がミドリ十字の血液製剤であっても、男性同性愛者の性交であっても感染者は同様に社会によって守られることとなっていて、我々納税者はそのコストも間接的にみんなで負担しているのである。
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12月02日(月)
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