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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■クルマを軽量化しましょう!
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鉄鉱石と石炭が値上がりして原材料価格が上昇したのを価格転嫁するために鉄鋼メーカ各社は自動車メーカーと値上げ交渉していたのだが、その先頭を切って業界の最大手同士が合意に至った。新日本製鉄とトヨタが自動車用鋼板の3割強の値上げで話し合いを決着させたということだった。この結果、カローラのような重量1トンクラスの乗用車で2万円程度、アルファードのようなでかいクルマで5万円程度のコスト高要因になるらしい。おそらく自動車の価格もそれを反映して値上げされるだろうと思うのだが、なぜ自動車メーカーは昔に比べてクルマを大きく重くしてしまったのか。オレはそれが納得できないのである。こんな問題は小さく軽いクルマを作ればそれで解決することではないのか。少なくともコストアップの要因の何割かはカットできるはずである。なぜ自動車メーカ悪車の技術者はそろいもそろってクルマをデカくすることしか考えていないのか。小さいクルマにもちゃんと価値があることをわかってるのは徳大寺有恒のような業界のヒモ付きではない評論家だけである。車が大型化して不便になった事実は自動車雑誌では書かれることがない。もっとも広告主の意向を無視できない自動車雑誌が事実を書けないのは仕方のないことかも知れないが。

 オレが最初に所有したクルマである初代いすゞジェミニ(4ドア)は車幅が1590ミリしかなかった。5ナンバーの最大サイズよりも10センチ以上小さかったのである。カローラやサニーといった他社の大衆車クラスの4ドアセダンと比べてもかなり小さかったのに1600CCの排気量でよく走ってくれた。次にオレが買ったのは日産の初代パルサーEXAだった。こちらは排気量は1500CCだったが車重が830sしかなかったのでかなり燃費がよくて、高速道路では軽い車重のおかげで吹っ飛ぶような加速感を味わうことができた。そのころに比べていったい何が変わったのだろうか。道路がよくなったとしても制限速度自体は変わらない。日本人の平均身長や体重が変わったわけでもない。つまり最高速などのクルマの性能をUPさせる必要も、大きな体格の人がゆったり乗れるようにクルマを大型化させる必要も全くなかったのである。

 それなのにクルマは大きく、重く、贅沢になった。パルサーEXAがはいていたタイヤは165/70R13というサイズである。ところが今オレが乗っている三菱FTOでは205/50R16というサイズになった。タイヤが大きく重くなった分、クルマも大きく重くなっている。三菱FTOの車両重量は1170sである。パルサーEXAと比べてオッサン5人分ほど重くなってるのだ。その重量増加は果たして絶対に必要なことなのか。実用燃費が13.8q/LくらいだったパルサーEXAの方が、日々の通勤の足として使用するのにはるかにすぐれていると言えるだろう。また交換しないといけない消耗品もかなり安かった。タイヤもバッテリーもあらゆるものがクルマのサイズに合わせて安かったのである。

 本来ならもっと低コストで済ませられたものを、不必要に大きく重くして、その分のよけいなコストをユーザーに負担させているのが今の自動車産業である。その実態に業界人は誰も気づいていないのである。いや、気づいていても自分たちの利益を守るために気づかないふりをしているのである。

 なぜクルマはモデルチェンジの度に前よりもほんの少し大きくなるのか。まるでそれがお約束とても言わんばかりに全長や全幅を拡大してくるのだ。しかし、クルマを格納する車庫の方は一度建ててしまえばまず広さは変えられない。だからこそ同じ大きさで造るということには大きな意味があるのだが、そんなことを自動車を造る側は全く考えていないのである。作り手はユーザーの本音には興味がないということなのだ。

 オレは今やむなくFTOに乗ってるが、本当は3ナンバーのクルマになど乗りたくなかったのである。しかし、当時4座の2ドアクーペというかたちの国産車では5ナンバーのものはなかったのだ。だから3ナンバーのクルマの中でできるだけ小さくて軽いものを選んだ結果がFTOなのである。


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05月28日(水)
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