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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■外資をカモにした詐欺師たち
ブログランキングの投票いつもありがとうございます。1位が目標ですのでよろしくお願いします。公開した 秘密の京都もよろしく。


 日本企業が外資のカモにされてゼニをだましとられるという事件はこれまで無数に起きてきたわけでそんなことくらいでは今更驚かないのだが、逆に日本の総合商社が外資をカモにして、リーマン・ブラザースから350億円をだまし取るという事件が発生したのである。これまでさんざんやられてきたのでここらで一矢報いたような気分になりたいところだが、どうもこの事件は巨大な詐欺だったようできちっと解明してもらわないと困るのである。まず産経新聞のWEBサイトの記事だ。

リーマンが丸紅提訴 出資金350億返還請求 2008.4.1 00:33
 リーマン・ブラザースの関連会社は31日、丸紅に未償還の出資金約350億円の返還を求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に起こした。
 契約には丸紅幹部名義の偽造書類が使用されたほか、丸紅を懲戒解雇された嘱託職員2人も関与していたとみられることから、リーマン側は契約違反を主張し使用者責任も問う方針。
 丸紅広報部は「訴状は確認していないが、当社に支払い義務はない」とコメントしている。

 リーマン・ブラザースが丸紅の事業に出資したゼニが返還不能になってるから返せと言い出したら、丸紅では「それは社員が勝手にやったことで、その社員は懲戒解雇したからうちとは関係ねえ!」と答えたのである。オレは丸紅のその開き直りをほめてやりたい。外国に対して弱腰で接する連中が多い昨今、このような「だまされるおまえらがアホや!」という豪快な開き直りにオレはなんだか拍手を送りたくなるのである。カモった金額もすごい金額だ。「おまえたち、すごいじゃないか!」と思わずこの2人の丸紅の嘱託職員に言いたくなるのである。

 丸紅の社員が、丸紅の事業を装い、丸紅が支援するかのように見せかけて起こした事件の責任が丸紅にないわけないだろう。その二人がおまえのところの看板で商売をしていた以上、少なくともおまえとこが責任をかぶるべきだ。もしもリーマンが丸紅を訴えたこの裁判で、丸紅側を勝訴させればどうなるか。世界の投資家は日本に対してそっぽを向くようになるだろう。ここで丸紅が「わが社の責任です!」と答えてすべてのゼニを返せば何の問題も起きなかったのである。350億円なんか丸紅から見れば鼻くそみたいな金額だろう。それくらいのゼニがどうして返せないんだ。もしかして丸紅はそんなにゼニに困ってるのか。そうするとかなり先行きが心配だ。オレがしっかりと空売りしてやるぜ。

さて、あくまで被害者を貫こうとする丸紅だが、どうやらかなりこみいった事情であるようだ。今回の詐欺事件を起こした2人の嘱託社員はそのゼニをアスクレピオスという医療経営コンサルタント会社に投資してたようだ。最近は倒産する病院もかなり出ているので、経営立て直しをはかろうとする医療機関を相手にその相談に乗り、運転資金や大型機器購入のための融資などを行うのがこのアスクレピオスの事業である。

 このアスクレピオスは2007年3月の決算で前年の3倍の売上高を上げたことになってるいるのだが、どうもそれは粉飾決算の疑いが強い。従業員15人で売上高63億円もあるのだから多すぎる。もしもそんなに売り上げが出てるのなら順風満帆じゃないかと思ったらなんと3月19日に自己破産を東京地裁に申請してきたのである。まさに、どっひゃ〜である。ところがこのアスクレピオスは東証マザーズ上場のLTTバイオファーマという会社によって2007年9月1日に完全子会社化されていたのだ。

 LTTバイオファーマの株価は2007年9月26日に安値51700円をつけてからわずか3週間後の10月15日には94000円に上昇している。業績のいい会社を子会社にしたということがその理由だろう。ちなみに3月31日のLTTバイオファーマの終値は11020円である。2月27日にはまだ株価は64500円だったのだから、もう会社の命運が尽きたという感じの暴落である。


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04月01日(火)
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