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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■株主総会で何が起きるのか?
 株式会社三條機械製作所(6437)は東証2部に上場しているが、一日の出来高もせいぜい2万株程度であり、さほど投資家の注目を集める存在ではなかった。事業内容はたばこ製造用機械器具ならびに同装置の製作・設置工事および販売がメインだったが、最近では自動車業界向け主体のダイカスト金型の製作、および販売に徐々にシフトしてきており、今ではそちらが売り上げの過半を占めるようになってきている。どちらかというと地味な事業内容であり、堅実ではあるがさほど投資家の興味や関心の対象とはなっていなかったのだ。

 5月15日に発表された2008年3月期の連結業績予想は売上高が2%増の184億2000万円、純利益が13%増の10億2000万円であり、予想1株利益は68.1円、そこから計算されるPERは9.9倍と市場平均を大きく下回っていた。かなり安値のまま放置されていたのである。一株あたりの配当金は年間8円という少なさで、それもまた株価を上昇させない要因だった。ところがこの三條機械製作所の株をひそかに買い集めている投資ファンドが存在したのである。

 2006年12月、英領西インド諸島のケイマン諸島を所在地とする投資ファンド「ザ・エスエフピー・バリュー・リアライゼイション・マスター・ファンド」(以下SFPと省略して表記する)が突如この三條機械製作所の株を5%以上取得したという大量保有報告書を提出した。保有の目的は純投資となっていた。株価は急上昇し、それまで480円くらいだったのがたちまち100円以上上昇した。その後もSFPは少しずつこの三條機械製作所の株を買い集めていったのである。3月28日には144万3,000株(9.58%)、5月9日には160万株(10.63%)、5月29日には178万3,000株(11.84%)となった。6月にはいるとさらに買いのスピードを速め6月7日には202万4000株(13.44%)、6月19日には218万株(14.48%)まで買い進んだのである。ここまでくるといったいどこまで買い占めるのだろうかと興味が湧く。株価もそれにつれてゆるやかに上昇し、12月には500円台だったのが、6月21日には736円まで上昇したのである。

 外資による株買い占めとして有名なのはブルドックソースである。スティールパートナーズはブルドック株を600円台から買い集め、株価はついに1700円台まで上昇したのである。実に3倍近い上昇だ。時間を掛けて大資金で介入する以上、それくらい上昇させてはじめて投資が成功と言えるのである。この三條機械製作所の場合はまだ500→736と50%も上昇していない。まだまだ外資の目標価格には到達していないことと思われる。500円から3倍となると1500円である。

 この大量の株取得の動きに対して、三條機械製作所の側からは全く何のアクションもなかった。まさか過半数の株を取得されて、会社を乗っ取られるところまでは行かないだろうと安易に考えていたのかも知れない。ところがこの大量保有の主であるSFPは、投資の世界では有名な「物言う株主様」なのである。この大量保有の発言権を武器にして、間近に迫った株主総会で何らかのアクションを起こす可能性がきわめて高いのだ。

 これまでにSFPが大量保有を報告した企業としては、東洋テック(9686)、ティムコ(7501)、松屋(8237)、セントラルユニ(7706)、ニレコ(6863)、松風(7979)などがあげられる。これらに共通するのは、どれも一日の出来高がさほど多くなく、投資家の注目をあまり集めてこなかったものばかりである。現在に至るまで保有を続けてるところがほとんどであり、やれTOBだと大騒ぎして少しでも利益を抜いてすぐに撤退する投資ファンドとは全く違うのである。基本的に長期保有しつつ株価上昇を狙うという投資スタイルなのだ。


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06月22日(金)
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