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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■バイオエタノールなんかクソくらえ!
 原油の高騰で影響を受けたアメリカでは、脱石油の動きの一環としてガソリンに植物由来のアルコールを10%添加したE10燃料への転換を政策的に進めてきている。そのためにバイオエタノール生産用に穀物が消費されるようになり、飼料用よりも高く売れるために穀物市場が値上がりしている。昨年の原油高、原油が崩れた後の年末の非鉄金属相場の高騰、そして今年に入って銅価格が暴落した後にやってくるのは間違いなく穀物相場なんだが、そのために大きく影響を受ける人たちが居るのである。

メキシコ主食の価格高騰、米国の燃料用コーン需要増で
【リオデジャネイロ=中島慎一郎】メキシコで、主食「トルティージャ」の価格が過去数か月間で40%以上値上がりし、家計を直撃された庶民の不満が高まっている。
 米国内でバイオ燃料としてトウモロコシの需要が増加していることが原因で、市場重視型の経済政策を掲げるカルデロン政権への批判も出ている。
 トルティージャは、トウモロコシの粉を薄くクレープ状にした伝統的食べ物。庶民に人気の料理タコスにも使われるが、価格が1キロ当たり6ペソ(約70円)から10ペソ(約110円)、場所によっては30ペソ(約330円)までにも値上がりした。
 このため、メキシコ市では1月31日、労働組合や農業団体のメンバーら約7万5000人が政権への抗議デモに参加。メキシコは1994年の北米自由貿易協定(NAFTA)発効以来、米国から安価なトウモロコシを輸入してきたが、これが裏目に出た形だ。
 カルデロン大統領は1月下旬、業界団体と価格抑制のための協定を結んだが、値上がりは収まらず、大統領自らトウモロコシの緊急輸入の号令をかけるなど、事態収拾に躍起となっている。(2007年2月5日23時45分 読売新聞)

 アメリカが勝手にバイオエタノールの原料用にトウモロコシを買い占めて高騰させたために、メキシコでその価格が上昇するのはしごく当たり前の結果である。主食となってる穀物にとって大切なのは価格が安定していて安いことだ。長年の間メキシコではトウモロコシはその地位にあり、アメリカでも同様だったはずだ。そのバランスをぶちこわしたのがこのバイオエタノール相場である。飼料用や食用に回されるはずの穀物が大量にバイオエタノール用に使われて品薄になってしまい、大幅な値上がりを招いたのだ。もしも大豆が使われるなら豆腐はどうなる!納豆なんか滅びても別にかまわないが、豆腐に影響が出ることは避けて欲しいのである。それにしても本当にこんなものが地球温暖化対策になるのいだろうか。

 インドネシアでは燃料用のパーム油を採るために熱帯雨林やマングローブ林が破壊されて畑にされている。そうして森林破壊が進めば全く逆効果だろう。現金収入につながるとなれば節操なく環境破壊が進行するかも知れない。先進国の勝手な思惑でガソリンから植物由来の燃料への転換が進んだとしても、それによってリスクを背負うのは貧しい国々の人々なのだ。穀物相場の高騰は、世界の飢える人たちをさらに増加させることを意味する。

 アフリカ諸国の多くは食物の輸入国である。もともと食料は自給できていたのに、彼らの畑を取り上げてコーヒーやカカオ豆を作らせた結果、彼らアフリカ人たちは自分たちが食べる分の食料も生産できなくなったのだ。内戦が起きて多数の餓死者が出るのは、自分たちで耕作して食糧を作り出せないからである。「環境に優しい」というのはすなわちその燃料を使ったクルマが走る場所の環境に対してであり、遠い海の向こうで何が起きてるかなんて誰も考えない。マングローブ林を伐採した畑で作られたパーム油を原材料とする洗剤には「地球に優しい」という矛盾したスローガンが書かれている。


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02月06日(火)
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